リトルローズハウスへようこそ
」のレビュー

リトルローズハウスへようこそ

幸田みう

あの裏には涙ぐましい努力があったはず

ネタバレ
2021年9月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作者さん買い。先生の作品はいつもあたたかくて優しい空気に包まれていて幸せになります。一緒に会社を立ち上げた友達に逃げられ多忙で彼女にはフラれ何も無くなってしまったリューイチは、ふと思い立って7年前短期語学留学していたヨーロッパの村へと旅立つ。宿の予約をしていなかったので、立ち往生していたところ、Little Rose HouseというB&Bを営むノアに声をかけられて、しばらく滞在することになって。。。
イギリスののんびりした村暮らしはいいですよね〜 山が少なくどこでもある程度開けていてインフラが整っているから、地方の村でも住みやすいんですよね〜今はネットで何でも届きますし。
ただ!こういう海外移住話には、すみません、毎回言ってるような気がしますが、現実的にはビザが問題になってくるのですよ。。。リューイチは最初は空港での観光ビザで入国しただろうから、観光ビザでは働けません。観光ビザからの切り替えはイギリス国内では現在できないはずなので、いったん日本へ帰国して、労働ビザはB&Bの手伝いでは下りないだろうし、投資家ビザを申請するほど資産はないだろうから、彼の場合はワーキングホリデービザか、パートナービザの申請ですね。パートナービザの場合一定期間の同居証明が必要だったはず。だから無理だろうから、やはりワーホリルートかな。。などなど、これはほんとうに自分が苦労したからいえるんですが、イギリスで住んで働くためにはかなりハードルが高いんです。。
ということで、1年後にリューイチは軽々と楽しげにノアと住んでるように見えますが、その裏には山のような書類集めや申請のゴタゴタや、ビザがおりるかドキドキの日々があったと想像してあげてください。そうすれば彼らの努力も報われるというものです!
いいねしたユーザ24人
レビューをシェアしよう!