このレビューはネタバレを含みます▼
苦手意識があってなかなか手に取らなかった作者さんなのですが、ずっと気にはなっていたので半額のタイミングで購入。
購入したものの…この話に良い評価はできない気がする…という葛藤がありました。しかし攻めがドクズなのは試し読みで判明しているので、そこに拘るのは違うなと自分を落ち着けながら読み進めましたが…いやはや作者さんの考え抜かれたお話造りの完成度が凄い!凍月がクズであればあるほどこの後の怒涛の展開に繋がるわけで。
2章3章と進むにつれ、凍月と奏の心理描写の密度が半端無い。被害者である奏の気持ちの掘り下げ方が徹底しているので、その後の愛憎の移り変わりへの違和感が全くありません。上手い。
セリフやモノローグが文学的で、くどい位に抒情的に訴えかけてくるのですが、言葉選びが美しくするっと入ってきます。
作画が硬い感じなのも、こういうストーリーにはかえって合っているかも、味だわ…。エチシーンは何回もありますが、まぁエロいというよりは可哀想…。奏は芯のある美人で、こういう設定にありがちな流され受けじゃないところが大変好ましかったです。
綺麗な顔の奏が防寒コートと安全靴履いてる姿が素敵で、個人的に萌えどころでした。
後半の凍月のある行為だけがどうしても、それだけはしないで欲しかったな〜と幻滅したので結局☆は少し減らしちゃいました…。