ばら色の頬のころ
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ばら色の頬のころ

中村明日美子

Jが現れる前のポールとモーガンの物語

2021年9月15日
わあ〜〜〜『Jの総て』を読んだ後すぐに読むべき前日譚でした…。結構間を空けてしまったのが失敗。あまりにも良過ぎました。ポールとモーガンがカレンズバーグ学院中等部だった頃の話です。彼らがJに出逢う前の物語。
『Jの総て』でのポールとモーガンのあの関係性が、彼らのどんな過去の上に成り立っていたのか、知る事ができました。あんな出来事があったんですね。ポールの何事にも無関心で閉鎖的な部分や、モーガンの攻撃的で叛逆的な態度、それらの"原因の一部"となったでだろう過去がむごく、でも美しく描かれていました。ですがだからこそ、その後彼らがJという人間に出逢えて良かったんだと思いますねえ。一度は失った彼らの中の大事な"もの"を、また取り戻すきっかけとなった存在がJだったのかもしれないですね。
あーもう本当に本当に感動しました。まだ青々していた頃のポールとモーガンの姿に涙します。
同作中に登場するユージーンとジェリーの関係にも酷く心が痛みますね。彼らのその後の話(番外編)が『2週間のアバンチュール』に収録されています。これは必読ですね。
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