あいつのMEGANE 【短編】
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あいつのMEGANE 【短編】

遊楽夏

洒落たラストページ。そういうことかぁ!

2021年9月24日
(注:作品紹介もレビューもスルーをお勧めします)
37ページの短編(120pt)

言葉は “世界” と “人” を知る “視点” をくれる。業務上で誰かが「問題がある」と言えば、そこに問題があることが初めて誰の目にも見えるようになるし、「好きです」と言われればそこに在ることも知らなかった好意を感じ取るようになりドギマギもする。言葉が、ものを混沌から取り出して際立たせ存在させるのだなぁと実感する (あたかも旧約聖書の『「光あれ」と神が言われ、するとそこに光があった』的に)。

異業種交流会でメガネ談義で意気投合し友人となった尚人(ナオト) と鉄朗(テツロウ)。ある日、尚人が発したメガネ絡みのある一言が鉄朗を新たな“視点” に開眼させ迷走させる!
この迷いっぷりがいちいち可笑しく、笑いのツボを押されまくる。かと思えば、誰かを好きと自覚するまでの揺れる心の機微が実にリアルで、それな、と隣で相槌を打ち肩を叩きたくなる。ラストページ…そういうこと?やるなぁ尚人(このこの~)。出てくる人みんな、表情も言動も生き生きとしていて、彼らの感情に寄り添い読み終える頃には、きっと元気になれるはず。


*皆様くれぐれもご自愛ください
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