セカンド・セレナーデ full complete version【イラスト入り】
木原音瀬/北畠あけ乃
このレビューはネタバレを含みます▼
水のナイフ〈高校2年生 明智拓磨×数学教師 24才 砂原〉
ONE NIGHT〈水のナイフの6年後〉
セカンド・セレナーデ〈大学生 19才 掛川進×会社員 31才 橋本道也〉
その後のセカンド・セレナーデ
わがまま
いじわる〈水のナイフの3年後〉
水のナイフは高校の同級生の美少女 大友美奈子に恋をした明智が大友が片思いしている砂原と大友をくっつけないために砂原に好きだと告白してしまったことが発端で、明智がエゴイストで嫌な奴でした。
セカンド・セレナーデは水のナイフで明智に先を越された掛川が主人公、明智と砂原のデート現場に出くわした掛川は夜の街で 見た目は美しいけれど性格は最悪な橋本と出会い、嫌な奴なら罪悪感はないと砂原の代用品にします。
4人中3人は嫌な奴というラインナップ。明智は基本性悪なところがあり、掛川は対橋本のみ、橋本は全方位に喧嘩売っているタイプです。
セレナーデとは、夜、恋人の窓辺などで歌い、また奏でられた愛の歌とのことです。4人の中ではやはり掛川が1番かっこよかったです。一途で男前で繊細でしっかりしていて。セレナーデが似合いそう。
親の前ではいい子の橋本が周りには毒を撒き散らしているのが興味深かったです。本来素を出せる家族に対していい子の橋本が少しかわいそうな気がしました。すごく嫌な奴ですが。1996年が初出らしくてもう続きはないのでしょうが、4人の行く末を見てみたいです。あーもう養子縁組するまでをお願いしたい。でないと安心できません。木原先生すごい。嫌な奴達がそれぞれ愛しくなってしまいました。明智は先生をあまりいじめないでって思いますけど。ほんとは読めてよかったです。セール期間中に木原先生の作品をいくつか読ませていただきましたが、どれも印象に残る作品でした。それぞれが素晴らしかったです。
2010年7月 総329ページ 挿し絵あり。
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