病める時も、健やかなる時も、【コミックシーモア限定特典付き】
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病める時も、健やかなる時も、【コミックシーモア限定特典付き】

野良おばけ

幸せの形。

ネタバレ
2021年10月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ フォロー様の「どうか手に取ってほしい」の言葉に感謝したい気持ちで一杯です。自分の事よりも、愛する人をこんなにも思いやる物語に、涙が溢れて止まりません。素晴らしい作品に出会えた喜びに、胸が熱くなりました。人と人との出会いに『一期一会』があるのなら、作品との出会いも『一期一会』と呼ぶのかもしれません。本当にありがとうございました。

カメラマンの仕事で、あちこち飛び回っている遼輔。彼の帰りを、何度も不安を抱えながら待つ泰央。泰央の言葉が胸をついた。危険と隣り合わせの遼輔に、もしいざという考えたくもない最悪の事態が起きたなら、家族という言葉に阻まれてしまう現実。緊急時に、家族が壁となる。連絡さえもない。待つ身である泰央には、不安が付きまとっていたに違いないと思います。と、同時に泰央に見えた色々な『覚悟』。遼輔の仕事に対する情熱と、遼輔の生き方を丸ごと全部受け止めて、支え抜く覚悟。それ以前に、親にカミングアウトした事も、責任と覚悟の表れであって、泰央の並々ならぬ決意に胸を打たれました。なんという強さ。なんという深い愛。遼輔の不自由な身体は、決して足枷でも迷惑でもなくて、遼輔の人生に関われない事の方が泰央の不幸せなんだと思うから、側にいて幸せな気持ちを存分に分かち合って欲しいですね。
そんな泰央に愛されている遼輔の想いもまた心に刺さります。愛をもって,精一杯愛に応えたい。もう途中から泣けてしまって…
自分の出来得る限りの事を考え抜いた遼輔。家族という形が、お金だとか保険だとかそういうメリットという事だけではなくて、何が起ころうとも長く共に過ごせる為なんですよね。共に生きて行くためにする結婚ですが、形にこだわらない人々もいます。幸せの形は様々です。それぞれの抱える背景によって、選ぶ道も変わって行くと思います。心が幸せであれば、形なんて気にならない。遼輔が、泰央が選んだ道の先に(未来に)何があるかわからないけど、きっと二人で手を取り合いながら乗り越えて行くのでしょうね。
ふぅ……思い切り泣けて、泣けて…久しぶりに感動の涙を流せる作品でした。
これは、多くの人に読んで頂きたいです。読んで良かったと思える事、間違いないですよ。ほんとに素敵な作品でした。素ーーーっ晴らしい!
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