そんなに言うなら抱いてやる【単行本版】
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そんなに言うなら抱いてやる【単行本版】

にやま

たしかに罪なオトコ!

ネタバレ
2021年11月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ もう何度も読み返しています。初めてにやま先生の作品として読んだのがこちらなのですが、表紙の雰囲気が、とにかく好みで購入のきっかけになりました。昭和感が漂うとの意見もありましたが、私は逆にこの忍だけをまさに「そんなに言うなら抱いてやる」とでも言っていそうな表情で描くことが珍しくも感じ興味を持ちました。
内容も良かったです。当て馬のようなポジションも無く、変にこじれたりするムズムズさは特にありませんでした。見てるこちら側の気分としては終始平和。
にやま先生の別作品も拝見した上で改めて、忍のような掴みどころのない、相手を手のひらで転がしてしまうような感じであったり、いっつも振り回されちゃうけど目が離せない、そんな人を描くのが本当に上手いなと思いました。会社でのモッサリした場面から一転、The モテる男にチェンジする忍は素敵でした。ヒカルのような典型的に女性から人気のありそうな王子様的ルックスに対して、ハンサムというのでしょうか…大人の男性の色気をモノにしたタバコの煙のよく似合う雰囲気に、バーの客のような反応をしてしまいました。
社内人気No.1のヒカルがそう簡単にそんな理由でゲイバーに通いつめるか?というのは、たしかに現実味を追い求めてしまうと不自然かもしれませんし、そんなにすぐ身体を許して好きになってしまうのか?というのも疑問に思うかも知れません。ですが、たった1回好きでもなんでもないような男に抱かれて、終わってしまえば好きだなんて言ってしまうような作品も世の中にはありますし、それと比べればずっと入ってきやすい気がします。
むしろ、プライドの高いモテるナルシシスト気味の男性が、男性にのめり込む様子としては納得のいく展開でした。そりゃあこういう人は、好きとか気持ちの問題よりも、手っ取り早く身体を虜にしてしまう方が早いでしょうね。肝心の行為の場面も色気たっぷりだと思いますし、忍のテクニックに溺れてるなあ…とわかり易くメロメロになっていて、ヒカルが可愛く思えます。忍もヒカルも十分に魅せ場があって、満足感がありました。社内恋愛を拒んでいたヒカルが今となっては懐かしい…
そして個人的にツインズ大好きです。彼らの出る場面では、これでもかとにやま先生のギャグが炸裂している気がして、ニッコリします。素敵なバーですね。また読みます。
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