泥中の蓮
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泥中の蓮

ためこう

ふたりだけの楽園

ネタバレ
2021年11月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごく良かったです。程良いドロドロ加減と、その中にあるふたりのある意味妥協のない愛が最高でした。

個人的に本編でのあのラストがとても好きでした。そして、そのあとのエピローグ。。結局は元春兄ちゃんの計画通りだったと…。ん?という事は単純に最初からふたりは相思相愛カップルだったんじゃないか!と、心の中でツッコミを入れましたが、、うんうん、昔からお互いに求め合っていたわけですね。
弟、秋生が兄を操っていたと思いきや、実は兄、元春が、弟の気持ちが兄に向く様に仕向けていた…という少しトリッキーな設定が好きでした。いやでも、弟は兄のその思惑の先を読んでいてわざとああいう風に振る舞っていたのかも……いやでも逆に、弟のその読みを見越した上で兄も演技していたのかも…??と、彼らの物語の真相を想像すると、エンドレスになってしまうのですが…汗。とても興味深い作品でした。タイトルの意味と繋がる兄弟ふたりの泥沼の様な関係性も魅力的だなあと感じました。読後に蓮/ハスの花言葉を調べてみたら、「清らかな心」「神聖」「離れゆく愛」などがあって、作品へのアイロニーを強く感じたと同時に、兄弟ふたりが抱く互いへの想いの意味や、その感情とは一体どういうものなんだろうと、少し考えさせられました。でも突き詰めていくと、それはきっと彼らにとっての紛れも無い愛なんだろうなあ。はあ、美しい。。
何はともあれ、ふたりにとってのハッピーエンドが見られて良かったです。
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