さよならさよなら、またあした
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さよならさよなら、またあした

シギサワカヤ

何千回何万回の"また明日"

2021年11月23日
私達は生きている間にどれほど"また明日"と約束するんだろうか。
その約束を叶えることは難しいことではない。けれど、同時にとても難しいことを私達は知っている。この世界には叶えられなかったまた明日が溢れてる。
いつだって、後悔しないようにするしかない。諦念に近いかもしれない。これで最後かもしれない、そう思いながら約束をするのだ。貴方がまた明日と笑って言って去り行くその背中をずっと見てる。大丈夫、大丈夫。これで見納めでも大丈夫。
実のところそんなことは嘘だ。大丈夫なわけがない。それでも後悔だけはしたくないのだ。
タイトルの『さよならさよなら、またあした』に泣きたくなる。"また明日"今日も私達は約束をする。口にすれば叶う気がするのだ。破られてもいい。仕方ない。ただただ、後悔しないようにするしかない。"明日が今日になる"ことを願い続けてる。残念ながら感謝する余裕が自分にはない。ひたすら切実に祈ってる。

作者様買い。作者様の短めのページ数で話数を重ね1つの話しを形作る単行本が好き。余韻とでもいうのだろうか。ただただ好き。
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