in August
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畠たかし

噛めば噛むほど味が出る…味わい深い1冊

2021年12月10日
読めば読むほど味わえば味わうほど、段々と溢れてくる奥深さがあって、作品の余韻にどっぷり浸ってしまいました。言いようのない切なさが込み上げてきます。。
『スケベの青春』の三田村くんに弟子入りしたいほど感銘を受け、畠先生の他作品も気になりこちらも読んでみました。改めてあらすじ読んだら、先生のデビュー作品なんですね〜いや〜すごい!この作品も非常に感慨深く、自分にとっては名作だなあと思いました。2組のカップルの物語からなる、短編作品です——少しだけオムニバス。
どちらの作品もとても良かったですが、特に表題作『帰省』はたまらなく切ない気持ちになりました。。あらすじにあるように、寂しくノスタルジックなキーワードがたくさんありますねえ…。ふたりの過去と音信不通だった14年間のその年月が、なんだかやるせない…。
短編作で心理描写や動きも割と少なめだと思うので、ちょっと物足りなさも感じますが、逆にその物足りなさが絶妙で!描写足らずな描写?というか、敢えて言葉足らずな感じが、読んだあとの余韻を更に濃くするというか。幸せな終わり方なのに、何故かまだ物悲しい何かが心に残るというか。。読者の想像をかきたてる作風だなあと感じました。わかりにくいレビューになってしまいましたが、言語化しづらい感覚的なものがありました。僕はとても好きな作品でした!描き下ろしin Augustからのin Decemberも良かったです。情緒あふれる味わい深い作品でした。
今連載中の畠先生の作品もすごく気になります。
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