志乃ちゃんは自分の名前が言えない
」のレビュー

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

押見修造

胸にチクチクきました【ヨミホだよ】

2021年12月31日
初めの一言がでない吃音症の志乃ちゃんのおはなし。
瑞々しい年頃の3人を通して、それぞれの心の機微が手に取るように伝わり、ジュワッと潤いました。
若かりし頃私にも志乃ちゃんのように自己肯定感が底辺を彷徨い続けた痕があります。誰しも全く無いことは無いと思いますが。その頃の痕が瑞を含んで感覚を呼び覚ましました。忘れてしまいたいと思っているのと同じくらい私を作る大事な要素で、今となっては変え難い印のようなものです。
大人の通り一辺倒な対応や、嘲笑われているような感覚、悲しいし全てに怒りを覚え扉の中から出られない、外に出られない...。
加代ちゃんの歌が刺さりました。
どストレートな歌詞が加代ちゃんのエネルギーそのものでした。
菊地君の不器用な荒削りな毎日にも親近感が湧きます。傷だらけになりながらも人が好きな優しい子なんだろう。

読み放題でした。
出会えてすごくよかったです。
いいねしたユーザ19人
レビューをシェアしよう!