心を殺す方法
」のレビュー

心を殺す方法

カシオ

胸糞なのにページを捲る手が止まらない!

ネタバレ
2022年1月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ なんという昼ドラBL!
主人公が不幸落ちするほど盛り上がる昼ドラのように、この作品も不憫受け・春樹から目が離せない〜。買う側としては正直4巻も引っ張らんと2巻くらいでまとめてくれんかなとも思うが、特異な環境の連鎖で歪んでいく光、はよ逃げろや〜としか思えんシチュエーションにまんまと絡め取られていく春樹、これらをネチネチと描いてくれるので、面白くてページを捲る手が止まりません。そんな中で一服の清涼剤のような英先輩の存在に癒されます。

しかしこれは昼ドラではなくあくまでカシオ先生のBL…英さんエンドはおそらく無い。でも光エンドも胸糞悪い…一体これどうなっちゃうの〜と一気読みしてしまいました。実はレビューでうっすら結末の方向性は知っていたのですが、それでも読んでる時の面白さは半減しませんでしたよ。

●この辺からネタバレ●
2巻の、英先輩で少し希望を持たせてからの大破壊、3巻の春樹ブッ壊れからの光オロオロ展開がめちゃめちゃ読み応えありました。光もっと苦しめ〜と思うのですが、春樹も中途半端なのよねイライラ。
英先輩エンドはありえないと思いながら読んでいたのに、4巻の英先輩の告白のタイミングが最良過ぎて、一瞬英先輩エンドを夢見てしまいました。作者の手腕〜。

エチは、無理矢理プレイだけではなく春樹から受け入れてるエチもあるのですが、何ひとつ萌えず。私の心のチン◯がピクリともしませんでした。やっぱりその先にラブが生まれようもないからかな。回数を重なれば重ねるほど春樹を破壊していく行為だと思うので。
春樹の反応に喜んだ光が時々純情な顔するのも腹立たしくて、エロいとかよりただただイラつくw

そもそも人から性的な好意を寄せられる事に苦しめられてきた光が、なぜ春樹を性的に搾取することには矛盾を感じないのか。光のその自己中心的な感覚は、全ての悲劇の後も変わらないように見えて、春樹と光は永久に分かり合えないと思いました。春樹は己の余生を光に差し出すことで、重すぎる罪の意識から逃れたのだろう。メリバかなと思いますが、よく考え抜かれた読み応えのある作品でありました。
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