リンゴに蜂蜜
」のレビュー

リンゴに蜂蜜

秀良子

読むたびに思うこと

ネタバレ
2022年2月8日
このレビューはネタバレを含みます▼
こんな風に、さみしさや哀しさを知ってくれている人がいるんだなと思うと、それだけで寝るのが怖くなくなるような、明日も今日と同じに過ごせるような、そんな気持ちになります。
「がんばれ」や「心配してるよ」もありがたいけれど、分かりやすい言葉では表せないような、自然と笑ってしまうような、少しだけ力になるような、そんな温かさを、秀良子先生の世界から感じます。
夏樹がとても好きです。夏樹と一緒に、「明日は月が出るかな」とか「空を見上げてみようかな」とか「晩ご飯はカレーにしようかな」とか、ほんの1歩先の未来を、今より少しだけ楽しみにできます。
コマノはあまりにも無遠慮でデリカシーがないけれど、夏樹には必要だったものをくれます。夏樹は笑って、髪を切って、カレーを食べに行こうかなって思う。臆病で不器用な夏樹の恋がはじまります。あぁ、”ドキドキ”にときめく。
共に70ページ前後の表題作と他1編。どちらもキノコな人たち(あとがきより)のお話です。表題作の続編が『彼のバラ色の人生』で、夏樹とコマノへの愛おしさが増します。コマノにしびれます。エッチな夏樹も見れますね💕
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