見つめていたい
」のレビュー

見つめていたい

西田東

西田マジックで泣けます

2022年2月13日
The Policeの大大大ファンです。なので「Every Breath You Take」(邦題「見つめていたい」)も大好きな曲です。この曲に何度も繰り返し出てくる歌詞『I’ll be watching you』は、実はストーカーまがいの“監視する”という意味です。STINGは「邪悪な小曲」と言っています。しかしその甘く切ない曲調により、英語圏であるアメリカをはじめ全世界で誤解され、究極の愛の歌としての認識が広まっています。邪悪であるはずの曲が美しいものとして受け入れられてしまってるんですね。。。。
前置きが長くなり過ぎましたが(汗汗)、表題作(に続く全4話)の攻めさま、不倫です。しかも離婚したいと言いながら自分の都合で受けくんを何年も待たせています。はっきり言って側から見ればすっごく悪い大人です。が、どうでしょう?読み口は純愛この上ない。おっさんになっても真実の愛に生きる覚悟を持ち、受けくんもそれを信じて待つ。相思相愛の美しく切ないお話なんです。。。。

どうです?まさにThe Policeの「見つめていたい」に起こった現象とシンクロしてるじゃないですか!!
どんな邪悪や罪が内包されていたとしても、美しいモノは美しく、切ないモノは切ない。
西田先生、やっぱりステキ過ぎました。
………
ポリスを知らなくてもとても素晴らしいお話には違いありません。多くを語らなくとも解ってしまう。むしろ語られていないことでグーンと余韻が増します。(コレを私は西田マジックと呼んでいる)。
他、2カップルのお話も然りです。カッコ付けたい男達がカッコ良くなり切れない。そこに心の柔らかいセンシティブな部分が表面に出ちゃって、こすられて痛くて泣けてしまうんです。
初版2004年。西田先生は昔から現在まで、ずーっとステキです。

…………
追記::読み返したら夜中にテンション上がって随分と独りよがりなレビュー書いたな〜と。ここまで読んでくださった方に申し訳なくも、ありがとうございます。
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