はるのうららの
」のレビュー

はるのうららの

三崎汐

とてもとても素晴らしい作品に出会えて幸運

ネタバレ
2022年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 年齢として十分すぎるほどオトナの私が襟を正すのに必要な作品でした。
『普通』という呪いにも似た言葉は昨今あまり聞かれないけれども、多分私が小さいころから聞き続けて降り積もった価値観は確実に存在しています。
意識していなくても『普通』であることの安心感が今の私を形作っているのだろうと自分の言動を振りかえっています。

作中の子ども達。はるちゃん、しゅんちゃん、美山くん、はるちゃんのお兄ちゃん。
其々が大人の普通や肌で感じる普通に翻弄されてしまう。
普通なんて人が作ったものさしよ!なんて悲しい(泣)
心の自由まで縛ってしまう普通という言葉はなんて恐ろしいのだろう。
小学校からの4年間ちょっとの子ども達の脆くてやわらかくて傷つきやすい心が繊細に丁寧に描かれていてものすごくよい作品です。

はるちゃんのお母さんも凄く傷ついてると思う。
オトナだって初めてのことや思いがけないことは不本意な行動に出てしまうこともあるんだよ。

表紙は絵本のようなタッチで好き嫌いが出るのかな。とても優しい可愛らしい絵で読みやすかったですよ。
フォロー様方が読んでいて知った作家さん。すごく気になって購入。しかもセールでした。ラッキーすぎる。

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