Mの教典【電子単行本】
」のレビュー

Mの教典【電子単行本】

野良おばけ

やや物足りなかった

ネタバレ
2022年3月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 野良おばけ先生の作品3つ目です。
犯人への容赦がなくやり過ぎてしまう刑事とその刑事を崇拝する謎の男のお話。
不安定で危なげな神島がどう動くのかが予想つかず、ハラハラして読めたのは良かったですが、テーマの割には緊迫感や迫力が足らなかったかなぁ。

常田のキャラがただ真っ直ぐで捻りがないので、もう少し深みがあったら良かったと思いました。背景が薄過ぎたせいもあると思うので、彼の信条が確立された理由をもっと書き込んで欲しかったです。そこに至った心情がわかりづらく、最後までイマイチ常田のキャラが掴み切れませんでした。
肝の神島からもフツフツと沸き上がるような、胸に迫ってくる感情があまり伝わってこずちょっと肩透かし。全然的に淡々とし過ぎているように感じてしまったので、常田のキャラも神島のキャラも、もう一歩踏み込んで掘り下げられていたらもっと心揺さぶられる感じになったかなと思いました。
題材がちょっと上滑りしている感じで、あまり盛り上がりがないまま終わってしまいもったいなく感じました。
ただやはり絵柄もテーマも個性的で、ほかでは味わえないインパクトはあると思います。この独自性をさらに追求して作品を描いていっていただきたいと思いました。
いいねしたユーザ13人
レビューをシェアしよう!