それでは先生、お願いします。
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日乃チハヤ

表紙のイメージよりも良かった!

ネタバレ
2022年3月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今まで表紙にあまり惹かれずスルーしていたんですが、試し読みしてみると、アレ?中身はなんだか表紙と雰囲気が違う?思い切って購入してみましたが、表紙のイメージとはだいぶ違ってとても良かったです。本作品は、官能小説家の赤瀬川先生×新人編集の薫のお話で、表題作のみ全5話+描き下ろしで合計189ページ。恋愛トラブルのあった女性編集の後釜として、人気官能小説家の赤瀬川先生の担当となった薫。今までは担当編集に「その気」にさせてもらっていた先生が、薫を追い返す口実で同様の奉仕をリクエストしたら…。皆大好き小説家×編集の鉄板属性です。しかも先生はタラシでイケメン、純文から官能小説に転向し、住まいは情緒漂う日本家屋に着物で執筆…というBLあるあるが盛りだくさん。なんですが!定番の小説家×編集BLとは少し違った気が。意外と先生が心に闇っぽいのを秘めていたのと、薫のキャラが類似作品との違いなのかなと思います。幼いながらに重みのない「好き」が存在することを知って、厭世的というよりもう諦めに似た境地だった先生には、自分でも分からないような深いところに何か澱みがあって、それを薫が純粋な心で綺麗にしていきます。子供の先生に手を差し伸べる薫の穏やかな笑顔がとても印象的でした。一方の薫も、真面目で硬派なイメージなのに、先生には抗えなかったり、ちょっと応答が斜め上な感じも良かったです。エロもありましたが、表紙から受けるエロ一辺倒なイメージとは少し違っていて、読み応えがありました。
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