あの子の子ども
」のレビュー

あの子の子ども

蒼井まもる

この時代に必要な作品だと思います

ネタバレ
2022年3月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品を読みながら、隣で寝息をたてて幸せそうな寝顔をして寝ている息子を見て愛しくなりました。
まだこの世に出てきて1ヶ月も経っていません。
私は順当に結婚して妊娠して出産。
妊娠報告もみんなから「おめでとう」と祝われて喜ばれたものです。
この作品には、その「おめでとう」の言葉がまだ出てきてないな、単純に悲しい、寂しいな、と思いました。それは敢えてなのかどうなのか。でもその言葉がない事が凄くリアルで緊迫感が伝わりました。
主人公ではないのに、読んでる最中、バレた時の耳鳴りが聞こえそうな、目の前が真っ白になるような感覚でした。
順当に子どもを生んだ私ですら、初めての妊娠が分かった時には不安を抱えて、この先本当に大丈夫か悩みました。
大人の私ですら怖いと思うことです。
2巻の最後に話されているこの作品を作った理由にとても共感してます。
私自身も性教育の進んでない日本を憂いてます。今悩んでる若者や社会全体にこの作品が広まり、当事者の気持ちが伝わるといいと思います。
親の立場になって分かりますが、福のお母さんは突き放したわけではないように感じました。
凄く愛のあるお母さんだな、と。
女医さんや宝くん、福のお母さんのように本人に寄り添える人がたくさん溢れる世の中になればいいなと願います。
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