このレビューはネタバレを含みます▼
弁護士 久我山功 31才×高校の英語教師 元担任 曽根暁芳 24才
タイムリープもの。要領よく生きてはいるが、恋をしたこともなく人生をつまらないものと感じていた久我山は高校の担任だった曽根の葬式に行くことになり、曽根が自死だったことを知らされます。特に思い入れのない相手だったのに曽根の夢を見た翌朝久我山は高校時代に戻っていて、というお話で2度目の高校生活で久我山には以前に見えなかった曽根の正義感が強くて優しく純粋なところが見えるようになります。高校生の久我山にも曽根にもそれぞれつらいことが起きて、なにより曽根の未来はどうなるのか?とドラマチックな展開で読みごたえがありました。若さゆえの鈍感さ残酷さなど榎田先生の表現力がすごいですね。とてもリアルでやはり稀有な作者様だと思いました。英田サキ先生の「恋ひめやも」を読んですぐに読んだので設定が似ていましたが(内容は全然違います)、やはりお2人とも素晴らしい。読み比べるのも楽しいですよ。
2009年10月 総228ページ 挿し絵あり