透明な愛のうつわ
」のレビュー

透明な愛のうつわ

hitomi

愛の素晴らしさを読みたい時は手に取って。

ネタバレ
2022年6月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 昨晩一巡目で泣いて、本日おやつの二巡目でまた泣きに泣いた私。
心が揺さぶられ、じんわりと優しく沁みいる作品に指の先までどっぷりと浸かるとしばらく帰って来られないのですが、案の定、現在18時になってもまだ夕食をつくることが出来ません。
皆様、読む時間にお気をつけあそばせね。

とてもとても良質で深く考えさせられるファンタジーで、タイトルが示す意味、「あかしびと」という生命体の意味、人が生きていくという意味を優しく穏やかに美しく示唆してくれるような作品です。
約230頁ありながら、どんどんストーリーに飲み込まれあっという間のエンディングと言ってもいいくらい虜になりました。

「あかしびと」のシロの美しさは透明無垢。相反する悲しい呪いのような生きる糧とまだ生まれていない魂を、宿主ミキの底を知らぬほどの愛情が物語を動かしていきます。
こんなに美しい物語があるだろうか…。
押し付けるようでもなく、偽善でもなく、只々に素直に純粋な優しさと強さで綴られたお話。

終盤の山、もう人魚姫のごとくエンディングを迎えるものと覚悟し嗚咽に近い涙を流しました。先生が〇〇厨(あとがき読んでね!)で助かりました。
先生があとがきで綴られているその時のミキの表情は何度見てもそこだけ見ても手を合わせたくなるほど幸せで美しいです。
また、その時のシノザキのワンカットが素晴らしすぎる。

大切にしたい作品がまた一つ増えました。
これから何回読み返すのかな…。

※※このままのストーリーで「あかしびと」20年若返らせたマッ〇ミケルセンでの映画を希望。シノザキはロバート〇ウニーJr.でよろしく。ミキのキャスティングが浮かびません、誰か助けて(笑)※※

**231ページ**
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