運命すらも呼吸をとめて
」のレビュー

運命すらも呼吸をとめて

滝端

麻川の方にももっと比重を置いて欲しかった

ネタバレ
2022年7月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 突然変異でいきなりαからΩ、βからαになって、今までの世界が一変してしまった二人の話。
突然Ωになってしまった恒吉のキャラがとても好きでした。
周りの残酷とも言える変化に、もちろん戸惑いも葛藤もあるんだけど、決して自分を見失わないところがすごい。相当の胆力のある人なんだなぁと思いました。
だからと言って居丈高なところはなく、必死で今の環境に馴染もうとする柔軟性と強さのある人。周りの視線や声なんかに絶対負けるな!頑張れ!とずっと応援するような気持ちで読んでました。
ただ麻川の方が、背景が見え辛くて感情移入しにくかったかな。過去のことも言葉でさらっと触れられるだけだし、結局どんな仕事をしてるのかもよくわかりませんでした。
発情のような状態になって抑制剤を過剰摂取してた理由も…。
家を出て外で働き出したところはすごい変化だったと思うので、その辺りの心情などももっとしっかり描いて欲しかったです。
お互い突然変異に苦しめられた者同士で理解し合えるいいカップルで、結ばれて本当にホッとしたし、絵も迫力あり見応えあって良かったので、ちょっと惜しいなぁと思ってしまいました。
ハッピーエンドで読後感は良かったです。
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