erotica【イラスト入り】
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erotica【イラスト入り】

榎田尤利/中村明日美子/今市子/えすとえむ/円陣闇丸/鬼嶋兵伍/腰乃

ラストの「書生の戀」が素晴らしい

ネタバレ
2022年8月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 短編集。痛いの、激しいの、捻りが効いたのと様々なカラーの短編を、それぞれ雰囲気をガラリと変えて読ませてくる。巧いな…と唸りましたが、初読み作家さんでこのタイプの一冊を選んでしまったので、榎田尤利という作家がどのような作風の作家さんなのか、読み終わっても皆目掴めず…しまったな。次は長編を読もう。

そんな中、ラストの「書生の戀」が後引く面白さで、こればっかり何周も読んでしまいました。
全6話の中では一番エチ控えめなお話なのに、行間から身悶えするようなエロスがじっとりと顔を覗かせています。

●ここからネタバレ感想●
ラブレターを覗き見するような背徳感と興奮を読み手に与えつつ、先生の葛藤も高まっていきます。そして最後に2人の交流の顛末を示しつつ、日記に空白の期間があったことを知らせます。ああ…そこにいったい何があったのか。その後の日記も小説も残したのに、その一年間だけは日記を残さなかったのは、なぜなんだろう。回答は得られないのに、つらつらと考えてしまいます。そうして読み返すと、また面白く。唐突に新キャラ投入した松岡の気持ちは、どんなだったんだろうなぁ…とかね。

131ページで1400ptとお値段は高め。複数の漫画家さんに扉を描いて貰ってるゴージャス仕様だし、企画物お値段なのかな。セールになってる時が狙い目ですね。
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