初恋のあとさき
」のレビュー

初恋のあとさき

日高ショーコ

面倒臭くて愛おしい男たち

ネタバレ
2022年9月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 日高先生の描く男性は面倒くさい人が多いなと思っています。なぜかその面倒なところを、掘って掘って極限まで見届けたい!!と思ってしまう魅力的な男性たちです。
シグナルシリーズの最終巻の今作も、そんな魅力的な男たちが浮かれたり凹んだり拗らせたりして、刹那の感情をこちらの心に擦り付けられました。
そのこびり付いた感情はなかなか剥がれず、ずーっと纏わり続ける不思議なチカラが有ります。
自分の中に美山が、仁科が、榊が、岡田が、面倒臭くも愛おしい核として居続けてしまっています。
これはキャラ立てとかのレベルではなく、擬似体験のシンクロ率が高いからでしょうか?面白かった、というありきたりな感想ではとても表現できない体験をしました。(何度も読んでいるのですがその都度です!)

今作はシリーズの中でも一番好きなのですが、特別に心鷲掴まれたところがありまして。
BLを読んでるわ〜と実感するひとつがリバ描写です。あからさまなリバも大好きですが、今作の自然でさりげない、けれど確かな「好き」が響いてくる描写にはホント参ってしまいました。BLなんだから当然の男同士であることを、一瞬ハッと実感してしまいます。たまんないです。
………
「シグナル」→2年後「嵐のあと」→2年後「ダブルライン」→2年後「初恋のあとさき」という設定だそうです。
………
修正は見えない構図。ちらっと隙間から見えてるのには一切修正は無かったです。
いいねしたユーザ22人
レビューをシェアしよう!