さよなら絵梨
」のレビュー

さよなら絵梨

藤本タツキ

ファンタジーをひとつまみ

2022年9月26日
「ルックバック」がとてもよかったので作者買い。

この作品、すごかった…。
一筋縄ではいかない作品。
青春群像、ヒューマンドラマ、ラブロマンス…名前を付けるのを拒否するかのように物語が二転三転してゆく。
何重にも組まれた話の層が万華鏡のように景色を変え、次第にフィクションと現実の境界が曖昧になってゆく。

先が全く見えないストーリー展開、想像もしなかったラスト…感情がジェットコースターみたいに揺れまくり、終盤、あまりにも美しく切ないシーンに涙が出た。

だけどこの作品、好みは分かれると思う。
わかりやすくスカッとした作品ではないから。
でも私はそこがたまらなく好きです。

ラストシーンが秀逸。
私はこのラストシーンを見たとき、藤本タツキ先生がニヤリと笑いながら「私の物語についてこれたかな?」と挑戦状を突き付けられたような気がした。

私もニヤリと答えたい。
藤本タツキ先生…あなた、やっぱり、最高です。
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