さよならのモーメント
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さよならのモーメント

仁嶋中道

涙と鼓動を読後引きずるステキなお話でした

2022年11月24日
本当に切なくて、めちゃくちゃに優しい三角関係でした。
とてもとてもステキなお話です!
途中からずっと泣きっぱでしたが、それと同時にドキドキもして大変でした。

事故死した親友が男子高校生に憑依して現れるという設定で、ひとつの身体を2人で使って(?)いるので、3人の間で「恋愛として好き」の気持ちがどっちに向かっていて、どのように発現して、どっちに舵を切るのか?がすんごく気になって気になって…。
矢印の向きが決まってからは、どう決着つけるの?誰か悲しむの?みんな幸せになれるの?と心配で心配で心臓バクバクしていました。
(ちょっとだけどっちとヤるの?どーやってヤるの?とも想像したりして不埒ですみません汗)

既刊の2作でも思いましたが、仁嶋先生の心情表現が素晴らしくて!
それはキャラと同化するのではなく、キャラの親になったような?絶対に見捨てるなんて出来っこない!と思うような?
どーにかしてあげたいのに物語の外にいるからどうしようもしてあげられない。それがジレンマにはならずに仁嶋先生が何とかしてくれるはず!と確信がある状態なんだけど、だけどやっぱり心配で…。
……という葛藤と予測できる幸福感がせめぎ合って一層ドキドキが加速してしまったんだと思います。

本編の最後のページがとても印象的で、八月八日朝を読んでまた涙…。
とってもとっても大満足な一冊です。
これは再読率が高くなると思います。
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