ノット ロンググッドバイ
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ノット ロンググッドバイ

緒花

良すぎ…良すぎ…良すぎ…良すぎ…涙。涙。

ネタバレ
2022年11月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ どこを切り取っても良すぎて、ここが!とお薦めできるレビューが書けません…涙涙。
心情重視が過ぎて、おかげさまで「人とは斯くも複雑で面倒くさいのか!」をとことん楽しめました。

高校生で出会い社会人と院生になるまでが描かれていますが、2人ともどの時代もどの瞬間も真剣に真面目に今を生きていてとてもいたいけです。
リアルな世界では『好き同士=即付き合う』の図式には嵌まらない恋愛がたくさんあると思うんです。むしろすぐに付き合ってベッドインするのは滑稽だと感じます。
じゃあ傍から見たリアルをそのまま描けばいいのか?じゃなくて、個々人が刺さった瞬間、感動した瞬間、忘れられない情景などをすくってそのキラめきごと表現できることが素晴らしいんだと思います。

今作品は、期限付きお付き合いの終盤で別れの悲しみから描かれているのがグッと心を掴みにきます。
「花に嵐」とあるので「さよならだけが人生だ」という諦念を感じぞわぞわしてしまいました。
けれどもそれは「行ってきます」と「ただいま」「おかえり」が【約束】された人生の素晴らしさを謳っていました。

個人的な話で恐縮なのですが、若い頃から世界中を飛び回っていた親友がいます。私は地域密着型人生なので彼女が帰ってくる度に数ヶ月または数年分の話を聴くのが常でした。夫や恋人ではなく親友という立場だからこそ何十年も続いた日常だったと思います。彼女はもう何処へも行けなくなりましたが…。

そんなことで今作に思い入れてしまったのは否定しませんが、それを抜きにしてもとても深く考えてしまい深く感動してしまう作品だと思います。
今作の2人がもう少し歳をとって人生の終着を意識した時に、お互いが共に在りたいと思って欲しいです。
けれどもたとえ別のパートナーを作ったとしても、ただいまとおかえりの関係が人生の最後まであって欲しい、の方を強く願ってしまいました。
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