恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。
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恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。

永野水貴/とよた瑣織

ロザリー贔屓のロザリーだけが幸せな世界

ネタバレ
2022年12月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絶対に覆らないありえない未来だと分かっていてもウィステリアにはブライドと結ばれてほしいと願ってしまう。幼少の頃から恋い焦がれ、魔力が無いからと周りに欠陥品扱いをされるブライドをウィステリアはどうしても"救いたかった""護りたかった"例えその理由に自分がブライドの隣に立つに足りる人間に相応しくなろうという気持ちがあったにしてもそれは浅ましさでは無く。健気で一途なウィステリアの気持ちだと思います。その為に自分が"魔女"だと。家族からはあまり快く思われずとも"好きな人を護る"その為に傷付きながらも必死に研究を頑張ってきたにも関わらず、それが全くの無意味。ブライドからの(直接的に言えば)"死んでくれ"…。自分に罰が下ったのだと。養親、義妹の為に自分の命を捧げたウィステリア。未明の地に降り立ってから23年の月日が経ちこちら側ではウィステリアの事がどう伝えられているのかと思えば悪しき魔女が罪人として番人(生贄)に…愛する人、愛する養親、愛する義妹が一番幸せになれる方法として自らを差し出したウィステリアなのに酷すぎる。ブライドはウィステリアを失った後にラブラから"全て"を聞いた筈。ウィステリアが自分の為に自分にどんな気持ちを抱いていたのか。それを知ってもブライドの中にあるのはただの謝罪の気持ちしか生まれなかったのか?ウィステリアの事を聞いても尚ロザリーが好きなのか。正直ブライドがどうしてこんなにロザリーに骨抜きなのかがわからない。そんなに魅力的?…と。ロザリーについてですが、ウィステリアが居なくなった時の前後の記憶が無く両親もブライドも真実を話さずにロザリーを傷付けない為に"嘘の話"を彼女に聞かせ大好きだった姉が居なくなったのだと悲痛に苦しむ。とありますが普通にブライドと結婚して子供を3人受けている時点で全然悲痛に苦しんでいるように受け取れない何より、ロザリー自身がブライドから気持ちを言われ、愛されてから自分は気づいていないだけで最初から彼に惹かれていたのだ。というのも気に食わない。なんにもしていないのに幸せだけ掴み、真実を知らずにただ飄々と生き、愛する人と愛する子供と暮らすロザリーからブライドを取り上げウィステリアにあげたい。ウィステリアのたった一つの願いがブライドだったから。ロイドは良い子です。けれど、所詮ブライドとロザリーの子供。言い方が汚いかもしれませんが間接的にでも…というのはやっぱり嫌だ
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