このレビューはネタバレを含みます▼
この作品は、シーモアではないところで読んだのだけど、とても素敵な作品なのでレビューに残そうかと。
タイトル通り、明るく輝くような笑顔の大型ワンコ楽×勘当され一人で生きていこうとしていた宗一のお話。宗一は小さなときから弟(弟なのに誠一と一がつくとこはミソ)と比べられ、出来のよい弟が家族の中心で、少しでも父親に喜んでもらえるよう努力していたが、大学にも差がつき、跡取を弟にして欲しいと初めて希望を口にしたら勘当された(それもどうかと)。寂しさを認めていなかったが、誰かの特別になりたい気持ちに蓋をして生きていた。そんなとき、温かな絵画に出会った。その絵を描いたのは楽。宗一は知らない。2年後に再会。
楽は、絵が得意。幼いときから過集中で絵を描き、周囲からは変わった子とされ、味方は母だけ。離婚し実家に戻り、祖父母も味方で、絵を描くこと以外は何もできないが、不自由なく生活していた。母が亡くなり絵を描かなくなった。
そして、宗一と出会う。描写から楽は発達障害の特性が多分にあり、何をしても上手く行かず、仕事ができない様子。
宗一とすれ違い、一旦離れてから、2人は寂しさと恋しさを痛感する。気持ちのすれ違い、知らないことだらけ、痛みを感じる過程が切ない。気持ちに気づいた宗一が楽を探し迎えにいき、互いが必要なのだと確認する。楽がまた筆をとる。完成まで待つと宗一。季節が変わり、出来上がって宗一に見せにいく楽。
これで、2人はずっと一緒なのだろうなとわかる。「ケッコンはもうしていて、その先の家族になろう」と楽。思いは未来に向かっている。気持ちに蓋をしすぎて好意を受け取れなかった宗一と、思いは強いが何もできない自分では不幸にしてしまうのでは?と不安だった楽。2人が歩み寄ったら、温かさだけが残る。エチはありますが、あまり多くなく、心模様がメインの良作品です。