このレビューはネタバレを含みます▼
年上だけど後輩な技術部門の国島と年下だけど先輩な営業の木村。
飲み会の帰りに見つけてしまった、飲み潰れた先輩の木村に声をかけたことを切っ掛けに傷心から復活、そして恋に落ちるまでのじっくり、丁寧なプロセスを味わうことができる今作。
彼氏と別れて忘れたくても忘れられず、泣いて飲み潰れていたといい、更にノンケは恋愛対象外という木村…木村は…元カレに100%返ってきてほしかったんだと思う。自分が「最期まで居たい」と思ってたから尚のこと、ガッカリしたんじゃないかな…でもコレは木村が理解してくれた親だったから、だからこそ身内へのカミングアウトに対する言い知れぬ不安を組みきることができなかったのかな、と思った。
反して国島は、ゲイに対してもあまりにアッサリで。何に対しても冷静…そのままを受け入れる性質というか。実際、博士卒で卒業しても教授に論文書けって言われて書いたら受賞しちゃったレベルの頭の良さだし、何事に対してもフラットなんだと思う。でも、不器用なりに人を想う気持ちを素直に言えたり、海や休日のアクティブさを見ると、とてもユーモアのある人となりで。
だからこそ、木村も落ちたんだろう。転がってきたのは木村自身なんだけど、なるべくしてなったんじゃないかな。
まるでゆったりとしたクラシック聞いてる気持ちになるBLでした。これからもオクラ(元野良猫)と仲良く過ごしてくれ〜!