魔女と猫
」のレビュー

魔女と猫

黒井よだか

じっくり読むと更に良さが分かる

ネタバレ
2023年2月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いで積ん読から。裏社会の運び屋・須藤×魔女の末裔・寿一くんのお話で、表題作のみ全5話+描き下ろしで合計237ページ。配達員の須藤が、ずっと気になっていたアパートのお隣さん・寿一くんの秘密を知って、追っ手から一緒に逃げることになるというお話です。実は最初読んだ時、魔女と魔女狩り、ヤクザの抗争、須藤と寿一くんそれぞれの過去など、設定が盛り沢山過ぎて付いていけずだったんです。なんで魔女が狙われるのか、寿一くんが狙われる本当の理由とか、追っ手側(夏美と啓悟)の立ち位置も込み入っていて、さらーっと読んだだけでは良く分かりにくかったんですが、2回目じっくり読むとなるほどそういうことかー!と。魔女だからと理不尽な理由で狩られる側になって、でも本当に欲しいものは永遠の寿命でも無敵の兵隊でもなく、何でもないような笑顔で過ごせる穏やかな日々なんですよね。そんな些細な幸せを今まで諦めずを得なかった寿一くんが辛かったんですが、同じように須藤も寿一くんによって生きる意味を見出したんだなぁと思うと胸が熱くなりました。戦っている場面は結構流血が激しいし、絵柄も可愛らしい感じではないので、読み手を選ぶかもですが、試し読みしてみて大丈夫なようならぜひ。フォロー様も書かれてましたが、私も寿一くんのヒゲは違和感でしたが、作者さんのあとがきを見て、なるほど意味があったんだなと。(それでも個人的にはない方が好みでしたが笑。)修正もかなり甘いです。最初と最後では行為の意味も全く違ってくるので、その辺りも胸熱でした。
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