オメガ・メガエラ
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オメガ・メガエラ

丸木戸マキ

運命は存在するのか、運命とは何なのか

ネタバレ
2023年3月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前に2話分くらいを試し読みした時は、犀門さんを主軸に華麗なる一族ばりのドロドロした名家の愛憎劇が繰り広げられていくのか…しかも犀門さんの置かれている立場や状況が辛すぎて救いが見えない…と続きを読むには気が進まなかったのですが、今回2巻まで無料だったのでおっかなびっくり読んでみました。

確かに想像通りドロドロでヒリついていて、一寸先は闇というような綱渡りの展開にハラハラを覚える内容だったのですが、その嫌さが気になるよりも面白さが凌駕しており、読んだそばから続きが見たくて仕方なく、最新刊までをすぐに購入してしまいました。や~読んでみて本当に良かった。

話数を重ねていくと犀門さんから真宮(馬宮)が主人公となり話が動いていくのですが、兄弟たちがみんないい子で、諸悪の根源ともいえる祖父と父がいなくなった後、経営は傾いて大変なんだけど家族が支え合う姿にそれぞれの本来の人間性が現れているようで、皮肉ではありますが家族としても、お話全体としても希望の光になっています。そして何より伊織が見た目も中身もずっと変わらずめちゃくちゃ男前!もうとにかく真宮と幸せになってほしい!それが犀門さんの幸せにもつながるはずと信じたい。というか麗子さんもリリィ先輩も猩羅さんも斯波さんも獅乃さん玲鴎さんも、みんな幸せになってほしい。序盤あんなに癖が強かった人たちにもこんな風に思えるような話の運び方とキャラの魅せ方、作者さんの腕が凄すぎる。

これからどんな展開になっていくのか、どんな結末を迎えても納得してしまう気がしつつ…怖さもあるけれど、ハッピーエンドを願って続きを楽しみにしたいと思います。
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