有休オメガ 子守唄
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有休オメガ 子守唄

藤峰式

確かに育休は育児「休暇」ではない!

ネタバレ
2023年4月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作者さん買い。強引でマイペースな古池α×猫かぶりΩの鈴谷のお話で、表題作のみ全6話+描き下ろしで合計213ページ。有休オメガ→三三九度→に続くシリーズ第3弾。番手当〜のミナト×晴人もちょろっと登場します。番手当〜は未読でも何とか読めると思いますが、前作、前々作の有休オメガと三三九度は必読です。今作でも二人の掛け合いがテンポ良くて面白かった!俺のフロアが沸いてるとか、産地直送ミルクとか、ちょっと雑な下ネタなんですけど、古池は至って真面目だからなおのこと面白かったです。面白いだけではなくて、今作ではすごい鈴谷さんに感情移入できました。そもそも「会社行きたくない」に共感しかない笑。仕事はしたくないけど職場では頑張らざるを得ない鈴谷さんのオン⇔オフがなんかリアルだなぁと。オフはだらけてるんじゃなくて、とことん効率を重視した結果なんですよね。猫かぶりな性格も、Ωだからって色々言われることから自衛した結果だし、動機は「楽したい」というものだけど、そのために努力できるのはやっぱりすごい。結婚や子作りなど自分のペースと相手のペースが違って焦るのも当たり前で、マリッジブルー、マタニティーブルーがすごいリアルでした。子供が欲しくないというわけではなくて、子供を育てるお金体力覚悟が自分にないのでは?と自信がなくなっている鈴谷さん。やっぱり根が真面目なんだと思います。育児に戦うパパ&ママは、まさしく育休ではなく育戦ですね。たくさん大変なことがあっても、これからも二人で乗り越えていって欲しい!
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