アダムとイブになれない僕ら 【電子限定特典付き】
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アダムとイブになれない僕ら 【電子限定特典付き】

南国ばなな

ただのエロ触手BLじゃなかった

ネタバレ
2023年4月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 惑星移住プロジェクトの希望者が自分達の夢を抱えて地球を旅立ったが、惑星着陸時に隕石と衝突し、全く異世界な惑星でポツンと取り残された人々。このお話は、番犬気質な一零(いお)×家族を作りたい草太をメインに濃いキャラたちが登場し、人生をやり直したいと強く逞しく前を向く一冊です。

タイトル通り、(惑星移住に掛けて)アダムとイブなのでエロはもちろん、惑星移住(異世界的な)なので触手もたくさん出て来て、まじでエッチシーン満載なんですが…それよりも注目する点は「キャラの人生をやり直し、強く生きていきたい」というのがヒシヒシと伝わってくること。
冒頭、物凄い手間隙かけて選ばれた移住者たちの説明があるんですが「もう二度と地球には戻れないことを条件」に移住するんですね。だからこそみんな、並々ならぬ思いで地球を出た事もあってか皆、安全に食べる物があるかもわからない、トイレもない、何が何だかわからなくても前向きで濃いしエネルギッシュで。

そんな中、草太の植物に対する知識やオタク特有の興味のあるものだけは早口でたっぷり喋っちゃうあの空気を嫌な顔せずに聞いて興味を持ってくれる一零と、何故か草太を気に入って番犬のごとくピンチを共に乗り越え、時に草太を守ってくれる一零は確かにパートナーに相応しい。
作中に出てくるんですが、原住民たちからしてみれば草太たちの方が「宇宙人」なので、アダムとイブには草太たち成れない。それに草太は異性愛者、一零はバイ寄りなのもあって触手パワーにより種別関係なしに赤ちゃん作れてもポジション的に草太がママになるんだけど、自分は女性と子ども作って家族になりたいって言ってたくせに、いざ、自分が…ってなると怖い…って言うので、完璧なパートナーというよりは、まだまだ駆け出しの、これからの人生を楽しみ、もっと一零と絆を深めていく(なんなら一零が生んでもいーよって言ってて笑った)終わり方だったので、続編があるなら見たいな!となりました。

ただの触手エロBLじゃないよ本当に!!!オススメです!
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