Borderline
」のレビュー

Borderline

木原音瀬/小野浜こわし

二人が辿り着いた先

ネタバレ
2023年5月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 少し前に購入していたんですが、木原音瀬先生の作品は気持ちに余裕がある時に読まないとと思っていてタイミングを測ってました。
しかし気になってちょっと覗いてみましたら、あっという間にグイグイ引き込まれ、最後までノンストップで読了してしまいました。だって先が全然読めないんだもの。ラスト近くになってもこれちゃんと納得して終われるのかなと心配になるくらい結末が見えない展開で、途中途中でこうなるのかな〜と想像した私の浅慮などは全く及ばなかった。

主人公は全く噛み合わない二人。
ガレとジャックは性質も生まれ育ちも考え方も何もかも違うから、これは交わることはないわとガレと一緒にこちらも何度も絶望してしまった。
それでもちゃんと最後は二人には確かにこれだなというエンドを迎え、読後ほんのりと心が温かくなり、不思議な幸せ感に包まれた。
木原先生の力量やっぱりものすごい。知ってたけども。

いろんなことがあったけど、一つ一つのエピソードがこの二人には必要だったんだなと思える。これも間違いなく一つの愛の形だと思った。
キラキラした素直な恋愛ストーリーでは全くない。でもこの少し風変わりな物語を見せてもらってすごく満足した。木原先生は異次元だなぁ。ああこんなBL小説もあるのかと先生の幅広さに舌を巻く思いだった。とにもかくにも非常に面白く有意義な読書時間でした。
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