レトリック
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レトリック

山田ノノノ

描き下ろしまで読み応えあります

ネタバレ
2023年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作者さん買いです。表題作序章+5話+描き下ろしで合計252ページ。暗くてクラスでもいじめられがちなDom須藤×伊達グループの一人息子Sub御門。グループの跡取りはDomであるべきという圧迫された環境で育ってきたSubの御門が、ある日病院で同級生の須藤に遭遇する。ところがSubだと思っていた須藤が、実はDomであると分かって…というお話。いやもう読み応えが凄かった!恵まれた環境にいるのに努力を怠らず、須藤に対しても一人の人間として平等に接することができる御門。第二性とか関係なくありのままの御門を守りたい須藤。御門が手を強く握りすぎて血が滲むなら、その手を須藤がかばって繋いで、でもそうしたら須藤の手が痛いだろって自分がしんどい時にも相手の心配ばかりで、もうこの二人なら何だって乗り越えられるんじゃないかな。実は苦しい時に心を許せる人がいたらという理由で設定されたセーフワードの重みが半端ないです。ありのままの自分を受け入れてくれる人がいるということって大事なんだなあと。Dom/Subものにしてはコマンドが少ないというレビューを拝見しましたが、(もう一回したいから)来て、家に帰ろう、隠さないで見せて、とかが多分コマンド扱いなんですよね。ComeとかPresentとかの一般的なコマンド表示じゃないので分かりにくいけれど、これはこれで良かったのではと思います。描き下ろしのメッセージ性にも胸がギュンとなりました。今は差別的に受け止められていることでも、将来当たり前になることっていっぱいあるんだろうな。一つ物申すとすれば、修正ががっつり白抜きだったことです(´;ω;`)
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