ドメスティックビースト
」のレビュー

ドメスティックビースト

ミナヅキアキラ

2種類の執着

ネタバレ
2023年7月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1度書いたのですが長時間経ってしまった為に正常に投稿されず…泣きながら再投稿です。

「スモーキーネクター」で出てきた桜次郎が受けになる今作。この一冊で2タイプの執着が味わえます。

1つ目の執着…「兄弟としての執着」。桜次郎の兄が見せた執着は、桜次郎が可愛いく美しく、何より当代に生まれた家のバイターである弟に魅せられた故に、いつまで経っても「桜次郎を昔のままの純真無垢な弟」にしか見えなかったこと。手のひらに隠してそっと仕舞っちゃう系執着です。でも桜次郎は「ありのままの自分、バイターとしての自分を見捨てずずっと側にいてくれる唯一無二」が欲しかった。だからこそ桜次郎は応えなかった。

そして、2つ目の執着…「独占欲ゆえの執着」。たぶん壱真は桜次郎に対峙するまでは自分の努力で100点満点の結果しかなかったのだろうと思った。バイターは「格好良い」という評価からも、自分の家の稼業も相まって愉悦しかない人生だったのだと思う。だけど桜次郎に簡単に傷つけられ、敗北を味わった。「バイターは格好良い」から「バイターは畏怖べき存在」になった。膝を折り見上げた先に居る、血濡れた片側の視界に映る桜次郎は天命を告げる神様のようだったのではないだろうか。そこからの壱真は、虎視眈々と桜次郎を手に入れるために尚の事、研磨する日々だったのではないだろうか。飼い慣らしたい、躾けたいという想いを、「仲が良い」と称された桜次郎の兄にも悟られぬように仄暗い所から桜次郎という光だけをジッと見つめてたのだろうね…ハイ、激重執着です。僕が〜見た〜希望ォ…(?)

事実、壱真と桜次郎、双方の「側にいて」「ありのままの自分を受け入れて」が完全一致。もし壱真がラスボス級の策士だったら受けを抱きしめながら闇堕ちスマイル(効果音:ニチャア…)ですが、壱真はどちらかというと闇でも陽でもない湖属性の執着奴なので桜次郎を閉じ込めずに寝ても覚めても自由にさせながらも隣は譲らず、イタズラをした時はあの舌打ちでご主人は誰かを…解らせる…この…120点満点ダヨォ…

あと完璧に躾られた桜次郎…繁殖期なのにチン…が立たずに完璧に尻で感じてんの、ホンマに雌犬みたいで凄く可愛いし凄く…凄く良かった…

壱真の執着…桜次郎の為に舌ピ開けるとかもう狂気過ぎだしその舌で舐められる桜次郎…倒錯的すぎる…
お兄ちゃんこと慶崇の「じろ」呼びも好きだよ…最高な1冊でした(合掌)
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