がけっぷち漫画家の生存戦略
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がけっぷち漫画家の生存戦略

小坂つん

名前呼び×苗字呼びが良

ネタバレ
2023年7月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 青年誌で担当付きだけど泣かず飛ばす…で“これから”を悩むマンガ家の古賀さんに、大学の同級生でお勤めしつつ実はBLマンガ(同人?)のシナリオを書いてる恭平さんが「俺がお前を有名にしてやるよ」と作画を依頼して〜から始まるラブストーリー。男同士のえっちな作画で行き詰まる古賀さんを恭平さんが押し倒すとこでは「そうはならんやろ」と思ったものの、そんな力業の中にも、ははーん長年片恋秘めてる系だな?と感じるほほえまな気配が見え隠れするので、たいへん美味しくニヨニヨいただけてよかったです(片恋拗らせ大好き侍)。そしてBLマンガに携わることになってから、自分の性的指向や恭平さんへの恋心や独占欲、さらには自分のマンガの可能性にどんどん気づいて開花させて行く古賀さんの成長がエモかったです。古賀さんのマンガをずっと読んでいた恭平さんが「やっぱり男の作画うまいな」と、古賀さんの一つの才能と可能性に気づいていたのも良きですね。当て馬というか、古賀さんにヤキモチを妬かせる恭平さんの過去の男が出て来ますがイヤな絡み方はしませんし(誰よこの男!とは思いましたが)、恭平さんの作家仲間もいい人たちで、基本的に2人の世界で進むお話なのでハラハラしつつも安心して読めるのもよかったです。修正も甘めで、何より初回からなかなかの力業でもって尻で抱いてく恭平さんなのでえっちはえっちですが、古賀さんが“恭平”呼びなのに恭平さんは最後まで“古賀”呼びでね……なんかえっちなのにピュアなのが良くてね……。描き下ろしの恭平さんがまたあまりにも可愛い生き物で悶えたので、是非続編で、なんなら恭平さんが名前呼びするようなラブラブ同棲編を見てみたいな〜と思いました。
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