俺はヒロインになれません。
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俺はヒロインになれません。

サノアサヒ

真逆の2人の人生観が溶け合い、私は泣いた

ネタバレ
2023年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 商業BLタグを漁っていたところ、ご本人様のTwitterのサンプル投稿から「何やら不穏な、人間らしい綺麗事じゃないドロドロした感情と、美しい絵柄、そしてユーモアに富んだ最高の漫画では、、、?」と私の好き好きBLセンサーが反応し、速攻購入。
モブという名のヒロイン(男)はオタクの表現と 強めのモブ自認思想ゆえに、独特な面白すぎる発言と態度ばかり。この辺めちゃくちゃ気持ちが分かって笑ってました。
しかし、見た目の麗しさゆえに勝手に中身まで清廉潔白な王子にされる事を実は怯えるクズ王子との、お互いを好きだからこそのすれ違いやトラウマの肥大は、見ていて心がキュっとなりました。
(ちなみにそんなシーンでもモブヒロインのワードチョイスは最高で、暗くなりすぎず読めます。)

不相応の恋、勝手に期待されるものへの重圧……。
お互い抱えるものがありながら、相手を羨む「ないものねだり」ですれ違いそうに。
それをお互いに分け合うことで2人は融合したように感じました。

私はその2人の様子に涙しながら、「きっと世の中の戦争はこういう分け合う・分かち合う愛がないと終わらないよな」なんて壮大な思想に帰結しました。

やっぱり世界を救うのは相手を敬う気持ちと、相手の弱さを受け入れる愛です。タイトル回収も美しい終わり方でした。
先生、最高の愛をありがとうございます。こういう深い愛のある作品は、たくさんの人に読んで欲しいなと思い、レビューを綴りました。
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