発情トーキングマシン330
」のレビュー

発情トーキングマシン330

りーるー

お洒落でもカッコよくもないところがいい

ネタバレ
2023年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごく良かった!
お笑いBL結構読むけど、かなり満足度の高い良作でした。

トリオの中心にいたモーちゃんが急死し、残されたやる気のない「じゃない方」芸人の椎葉と モーちゃんに頼り切りだった上、常時男が必要な松尾の二人が、コンビとして再生していくストーリー。

松尾がかなり癖のある人物で最初はあまり好きになれなかったんだけど、読む進めていくうちに、お笑いの才能と男がいないと立っていられないしょうもなさの中に可愛げが感じられて、モーちゃんが愛想尽かさず守ってきた気持ちがわかってきた。
曲がりなりにも10年芸人やってきたにも関わらず、何の気概もなくてぼんやりしている椎葉の方にも魅力は感じられなかったけど、二人切りになったことでようやくお笑いと相方に向き合い、まさに覚醒。不器用にがむしゃらに、必死になっていくところに心打たれた。ただの冴えない男だった椎葉の頑張りに拍手。
全くお洒落でもカッコよくもないんだけど、悲哀と情熱が入り混じった熱さと人間らしい泥臭さが胸に染みた。最後には爽やかさすら感じさせ、最終コマには胸がいっぱいになった。
周りを取り巻く人たちも味のある人物ばかりで、りーるー先生は人間を描くのが上手いなぁと改めて感心。読んで良かったです。
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