相原君と嘉島君はラブコメかもしれない【単行本版】
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相原君と嘉島君はラブコメかもしれない【単行本版】

キシモト

表の声と心の声が反転する瞬間のカタルシスッ!!

ネタバレ
2023年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ いや〜、もしBL界に「ラブコメ教」って宗教があったら間違いなく入信しているラブコメ好きなんですが、中でもキシモト先生は、正に「神」とお呼びしたい、ラブコメの名手だと信奉しているモンです。

恋といえば、障害があるほど燃えるもの。
ところが、この嘉島君(和カフェ店店長)と、相原君(同じカフェのマネージャー・黒髪美人)は、だーれも、だーーれも、邪魔してないのに、本人同士が最大の障害になってすれ違っているっていうね…。いや、確かに大学の同級生で、ノリ?本気?みたいな感じで付き合い始めて、なんとも面映い理由で自然消滅した過去があるから、2度と失敗できない気持ちは分かるけど。君らの本心、我々にも周りで見守るカフェの従業員さんにも、バレバレだからな??と、ツッコミ入れた回数、数えきれず。
ほんっとに、他人に対しては、ポロポロ本心が漏れ出ているくせに、肝心の相手にはツンデレな態度を2人揃って取っちゃうってさー、どんだけ似た者同士なんだよ!
そして、両片思いラブコメでしばしば発動する、「AOSN症候群」=「あいつが、俺のこと、好きなはず、ないシンドローム(注 今作りました)」がもたらす、相手の好意やら、気遣いやらを宇宙の彼方へ行ったくらいに盛大な勘違いをした末にすれ違うっていうね。もうね、2人の気持ち並みに読者の感情もアップダウンするわ、だんだん相原君、少女漫画のヒロイン並みに可愛くなってっちゃうわ、さすが神様、少女漫画出身民のハートをも鷲掴みするお上手さ!

そんなツンデレな2人、途中まで、心の声の方が、表に出ている声より膨大なくらい内心のデレを発動させまくり、5年分の溜め込んだ心の内を、募りに募らせた後、ようやく気持ちを通じてダダ漏れに解き放つ瞬間のカタルシス!これがサイコーに萌えるんです!

エロも、おのろけぶりも、なんせ5年分溜め込んでいただけに、その暴走ぶりが堪らんのよ(涙)。
最後の描き下ろしも、相原君の立てた作戦と、突然発動するデレ、と覚醒後の羞恥する態度が、はじめの2頁くらいと別人過ぎて可愛くって仕方がない!

もう、幸せになりたかったら、一緒に読んで、キシモト先生を崇め奉りましょう。
しかも、続きが出るなんて、なんたる僥倖…。とにかく、とにかくおすすめです!読んだら幸せになれますよ…決して怪しいモンじゃございませんので(←かえって怪しいだろ!!)。何卒!!!!
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