WEED
」のレビュー

WEED

木原音瀬/金ひかる

読者の覚悟が試される作品

ネタバレ
2023年9月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 信じられない展開の連続だった。確かに酷い始まり!若宮にとっては罪悪感を伴う関係(加害者)から次第にメンタルが不安定になる程岡田なしでは生きていけなくなる。岡田も人生最悪とも言える一夜から、何度も会ううちに若宮を愛してしまう。正直ここまでお互い重い感情はあまり見たことがない。溺愛と言うのか、執着、依存と言うのか熱烈に恋に堕ちたと言うのか、人によって受け取り方は違うと思います。Weedはまだ楽しく読めます。構成が面白くて次への結末が書き下ろしで読めるので自ずと未来がわかる仕掛け。密接に絡み合う登場人物達。未来予想図でもあるそれを読んで涙がにじむ。ただ…、最初から出てくる谷脇という男がモラルの欠如した悪魔にしか見えなかった。柔らかい感情が欠如していて登場するだけで本当に腹立たしくて。余計な一言、悪知恵ばかり働かせるのです。FLOWERは谷脇というこのどうしょうもない男に捕まってしまった青年が憐れでやりきれなくて。ざまぁと呼ぶには物足りない。本当に覚悟が試される作品。この展開は木原先生だから、あなたはこれが木原作品だとわかって読んでるんでしょう?と正に試されるのです。POLLINATIONでは30ページ読んだあたりで止まる。谷脇のある行動が許せなかった。谷脇という男はどこまで卑劣なのか。苦しい。これが平気であれば読み進めると読者の心境に谷脇側に寄るという不思議な現象が人によってはおこるようです。ここから先はもう少し時間をおいて読み進めようと思う。何だかんだと木原先生の作品でも苦しいとわかってそれでも次々読んでしまうという事は、少しMの気があるのだろうか?苦しい辛いのに読んでしまう。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!