二度目の朝は君に1曲
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二度目の朝は君に1曲

新藤伊菜

ピアノマン&リケ男商社マンCPの尊み

ネタバレ
2023年10月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ いやいや〜、試し読みの商社マンのお仕事パートのリアルな描写と、まったくLOVEが始まる感じのしない、プロジェクトチームのリーダー山下と、顎ひげの同期朝倉の雰囲気に良作の予感がして読んでみたら当たりでした。

理系出身で、技術営業を担当している黒髪の山下と、音大出身の朝倉は、生真面目vs.大らか、理論家vs.感性派、女性と長続きしないvs.モテモテと、何から何まで対照的。冒頭、いきなり3年交際した彼女から別れを切り出されて絶不調の山下を、なぜか朝倉が気にかけて…と、少し謎めいた雰囲気を漂わせつつ、次第に今の人物像が形成された背景が明らかになる構成が良く、その思考回路が理解できるにつれ、器用なようで不器用な2人が愛おしくなって行く。
自分が印象に残ったのは、山下が、商社マンになった理由を朝倉に語る1枚絵の場面(38頁)と、ピアニストである朝倉がヒースの茂る荒地を山下の隣で弾いたときに楽曲のイメージが広がる場面(100頁)。なんてロマンチック!それに、朝倉が弾くクラシック曲や気持ちをなぞらえる場面でちゃんと楽曲名が挙げられていて、その曲を聴きながら読むと作品世界が広がり、グッと作品世界に入り込めるのもオツ。

持ち味が違うからこそ惹かれていく2人だけど、感性で動く朝倉と違い、過去の経験や、合理性に縛られる山下が、それらを乗り越え、赤面して抱かれる姿は、シゴデキクールビューティーな昼間の顔と、真反対!悪態をつきつつ、回を重ねるごとにトロトロになっていく表情がたまりません!!黒髪クーデレリーマン受け好きなら是非…!

またまた、巻末の番外編の朝倉目線で見た理系人間山下の変人ぶりとその独特の思考回路を強制終了するコツ、山下の下の名前のはるか様呼び、最高!電子限定描き下ろしの着衣エチも、本編とのギャップがオモロいです〜!

このCP、正反対ながら、お互いを尊敬しあっているところが好き。是非、番外編などで続きが見たいです!
修正はホタルさんで甘め。
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