恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。
」のレビュー

恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。

永野水貴/とよた瑣織

こんなにも胸が引き裂かれる告白は他にない

ネタバレ
2023年12月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ レビュータイトルままなんですが。
こんなに苦しくなる帰還も他にないと思う。
日付変更と同時に購入、読み終わりましたが、今が夜中じゃなかったら大声で咽び泣いてた。
ウィステリアとロイドは、元の世界に期せずして戻ってきた訳ですが、運良く?そこはウィステリアの元同僚ベンジャミンの家で、2人とサルトは隠れるように滞在することになります。
ベンジャミンの家のお手伝いさん、やや口が軽くて、次巻以降、ウィステリアの生存が世間に広まりそうでちょっと怖いな、と疑心暗鬼に陥るのは、この作品が描く人の絶望や後ろ暗さに慣らされたからかも。
ウィステリアはせっかく帰ってこれても、不老=本当に人間?な状態だし、冤罪はまだ晴れてない。
そんな彼女にロイドはルイニングと自分を頼れというわけですが、無理だから(叫びその一)
そもそもロイドはウィステリアが未明の地に行くことになった諸悪の根源が自分の父親だとまだ知らないし、知った後がとてもじゃないけど恐ろしいですね。

4巻まではロイドのウィステリアに対する心境が次第に好意のようなものに変化してるな、と分かってはいましたが、ラストよ…
「放さない」って…ロイドさん…(涙)
胸が高鳴るはずのシーンで、こんなにも胸が引き裂かれる思いをしたのは初めてかもしれません。
王女とのことは、お互い想い合ってるというより手に入れる勲章のようなもので、ウィステリアに対する感情は恋や愛というには軽く思えました。

本当に、このあとどうなるんだろう…
ウィステリアが自壊したり、未明の地に帰ってしまうような不安もあって、次巻が楽しみなような怖いような気分です。
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