このレビューはネタバレを含みます▼
今回のように、事故や病気ではなく、自らで命を絶った場合、大切に思っていた人たちは、真相が解らず、「自分のせいでは?」と自己非難(個人化)してしまうことがある。ショックと罪悪感からくる認知の歪み。
元も辛かったろう…期待に応えなければと人形化して、自分が大事にしたいことも大事にできない。潰れてしまったんだね。
父親はどうした?自慢の息子だったんでしょ?
漣と時生と元の遺骨の旅。元が何故亡くなったのか知りたかった2人。元が予約した旅館のノートを見て、時生は不思議な経験をする。元を思う気持ち、自分を慰めてくれた漣に恋心を抱く時生。元に連れて行かれそうになった漣を助け、生きることを願う。
5年経って禊の期間は終わったか…特殊な状況で出会った2人だから、いっときの気の迷いかもしれなかったけど。側にい続けてくれた時生に気持ちが向き、付き合うことに。日薬の時間の長さは人それぞれだけど。5年の月日が躊躇していた漣を変えた。
当然、元が生きていたら成り立たない話だけど、元も救われて欲しかったな。元の分も2人で幸せな未来を築いて欲しいと、読了後に思った。