心中するまで、待っててね。
」のレビュー

心中するまで、待っててね。

市梨きみ

これは…

ネタバレ
2024年4月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ あー、ひきずるやつ…と思いました。
初読作者さんで、話題の作品とは知りながらタイトルに警戒して手を出せずにいました。ハピエン主義、メリバすらも苦手なので…
設定としては穏やかな青年福太×元近所のお兄さん葵。再会時、福太が幼少期の記憶のままの葵…この時点でタイトルからも葵が実は…なのはわかるし、さっくり説明すれば新しい設定でもないと思うんです。
この作品がすごいな、と感じたのはその設定を細やかに丁寧に、あの2人の物語として描ききってることです。葵に救われ、焦がれ続けた福太だから、一方で過酷な現状を福太に救われていて、守りたいと思った葵だからこその物語。
もしどんなパラレルワールドがあっても、2人は一緒を選ぶと思わずにはいられない、唯一無二の存在だったのがよくわかります。
とはいえ、葵の真実と、あの男の最後の発言がもうね…辛すぎてトラウマでもあります涙
読み返すのにかなりパワーがいります。
やっぱりハピエンが好き。でも、この作品にはもう嫌いと言えない…本当にすごいお話でした。
追記 読み返しまでに数日必要でした。やはり引きずりましたね…でも、2回目に読み直した時は2人の幸せな時間やラストの幸せな表情に救われました。
作者さんの力業ですね。
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