このレビューはネタバレを含みます▼
過保護すぎる親の元で、息苦しくもそこから離れられないでいる病気持ちのアラン…過保護というのはよく言ったもので、自分たちの事しか考えていない人達。ヘイデンも一箇所にとどまることのできない「放浪癖がある」とあらすじでは書いてあるけど、そんな生半可なものではない。彼もまた酷い両親の呪縛がある。偶然にも出会った2人は、お互いに寄り添える何かを感じ取ったのか今あるものを捨て街を出ていくことに。彼らの行く道にはいつも困難があって、登場する人物たちも良い人生だとは思えないようなものばかりで読んでて結構苦しいです。でもその先にはきっと救いがあるのだと信じて読み進めるんだけど、だんだん不穏な空気しか…。唯一、それまで各々囚われてたものから解放されて本当の自由を、求めてた帰る場所を見つけれて良かった。神へ祈っても自分を救ってくれないからこそ、自分の足で確かめて掴み取った彼らの居場所は誰にも奪うことのできないものなんだなと。ダーク映画を一本見た感じ。安らかに…と見守る事しかできないもどかしさがありつつグッとくる作品でした。