ギンモクセイの仕立て屋
」のレビュー

ギンモクセイの仕立て屋

マミタ

作者買いです

ネタバレ
2024年5月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 仕立て屋さんのお話って、何故だか艶っぽく感じてしまうのですが、だからなのか(?)自然と目にとまります。こちらも以前から気になっていた作品でしたが先送りにしていて、「え、これもマミタ先生のなんだ!」と、やっとこさ購入。この作品も受けが本当に可愛くて愛しくて、食べちゃいたい!って思いました。張り詰めた空気のシリアスな場面の合間に、頻繁に差し込まれる抜けた感じの絵が、程よく読み手の肩の力を抜いてくれて、マミタ先生の作品はとっても読みやすいです。視覚から入ってくる情報もシンプルで明確なので、意識せずとも人物達に感情移入できて読み応えもあります。
攻めの灯生は外も中もスペックが高い上に情熱のある努力家。人生上手くいっていた矢先、仕事でトラブルを起こして初めての挫折を経験。自分の原点を改めて問い直していたタイミングで、受けの生吹と出会いました。生吹はその時、人生万事上手くいかずドン底でした。しかし灯生と出会い、祖父から受け継いだ仕立て屋を立て直していく中で自分自身と向き合い、変わる決心を固めると物事はどんどん上手くいくように。物語はそんな感じの流れでしたが、正反対の二人が関わり合うことで刺激を与えあって、それぞれが抱える内面の問題を乗り越えていくというお話が私は大好きなので、めっちゃツボでした。「あぁ、なんか良かったなぁ」って読後は胸が熱くなり、「私も明日から頑張るぞー」ってなります。今回もそんな気分に浸っている正にその時、本編ラストで二人が全身収まるページの隅に、ぎんさんとゴトウさんを見つけた時は、圧倒的な異物感に思わず吹き出して、力が抜けてしまいました。も~!こんなのマミタ先生しか描けないよー。
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