イヤしてオトす【コミックス版】
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イヤしてオトす【コミックス版】

doji

社畜族にとってのドリームストーリー✨

ネタバレ
2024年6月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今回、作品紹介の「セルフ社畜」というワードが気になって手にした本作。
「24時間働けますか」ソングがCMで流れていた昭和生まれにとって、哀愁を帯びながらも、放っておけない社畜族。その一員の自覚がある自分にとって、最近感じた世代間ギャップが、「もう若い世代は『24時間働けますか』ってCMも知らないし、そんな話聞いたら逆にブラックだって思っちゃいますよね」と、30代の若手(彼がギリそのCM知っているかな世代)が話したときでした。

そんな令和における「セルフ社畜」と呼ばれる莉央が、深夜残業していたら美形のコンビニ店員彗にそっと差し入れをもらって、しかも手を触れただけで久しぶりの人の体温を感じてヒュンと睡魔に襲われてしまい、彗からお試しで付き合ってほしいと言われて…?と始まる物語。
この莉央の、仕事か仕事の準備をするための休日か、しかない心理描写、仕事という尺度でしか物事を考えてこない生き方のため「かわいい」と言われて自分のことと思えないシーンなど、社畜族として「…分かる」の連続で、世代も性別も超えて感情移入してました。

そんな莉央を構ってくれる彗が、ほんっっとに美形のバチバチピアス開けた男の子。そんなん、社畜族からしたら、別世界にいる、キラキラ眩しい存在でしかない。なのに、そんな子から好意を向けられ、癒されて…ってここは桃源郷ですか?これは、社畜族のためのドリームストーリーですか?と、読んでいる間、彗の行動原理が分からなくて。ああでも、同族の莉央が癒されている姿に自分も癒されておる!と、同族ならではの感慨にふけっておりました。

そして、電車に揺られて睡魔に襲われたとき、もたれかかった相手が優しいと、殺伐と見えた電車の中が急にあったかい空間に思えたことがあったんですね。そんな経験があると、なおさらこの作品のもたらす癒し効果に、心が動くと思います。

とにかく、攻めが美形で一途、一生懸命な莉央に惹かれる心の純粋さがステキ。
莉央も、不器用で繊細な頑張り屋さん。そんな2人が心に素直になって心も身体もさらしあっていく過程が愛おしい。それにしても、彗、一体キミは、いつそんな身体に鍛えあげたのか?驚異の胸筋と上腕二頭筋が拝めたのが眼福でした!
どうぞお幸せに!!
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