心抉られる傑作





2024年6月18日
シェイクスピア史劇をもとに、15世紀イングランドにおける薔薇戦争渦中の王位を巡る争いを、史実とフィクションを巧みに織り交ぜて描いたダークファンタジーの傑作。
長尺の解説や説明は一切なく、詩的な台詞と心情描写、精緻な画と場面展開で、登場人物や相関関係も無理なく頭に入り、予備知識が無くても十分物語に没入出来る。
出生の秘密と母親からの呪いの言葉によって、自分自身を受容できず、孤独に生きる主人公リチャード。全編を通して描かれる、心の内を象徴するような暗い森の中、光を求め、過酷な運命に翻弄されながら生きる姿に胸が抉られる。
次々と愛する人を喪失しながらも王冠を手にした先に、求め続けた光は訪れるのか、祈るような気持ちで一息に頁を捲り、読後しばらく余韻から抜け出せなかった。
繰り返し読む度に感情が揺さぶられる、稀有な物語。
長尺の解説や説明は一切なく、詩的な台詞と心情描写、精緻な画と場面展開で、登場人物や相関関係も無理なく頭に入り、予備知識が無くても十分物語に没入出来る。
出生の秘密と母親からの呪いの言葉によって、自分自身を受容できず、孤独に生きる主人公リチャード。全編を通して描かれる、心の内を象徴するような暗い森の中、光を求め、過酷な運命に翻弄されながら生きる姿に胸が抉られる。
次々と愛する人を喪失しながらも王冠を手にした先に、求め続けた光は訪れるのか、祈るような気持ちで一息に頁を捲り、読後しばらく余韻から抜け出せなかった。
繰り返し読む度に感情が揺さぶられる、稀有な物語。

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nono さん
(女性/40代) 総レビュー数:32件