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今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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眼福のスーツ姿2024年7月4日洗練されたスタイリッシュな絵に一目惚れで購入。内容もとても面白かった。
本作では、何組かの大人の恋が描かれるが、
いずれの主人公もコンプレックスを抱えて悩んだり、些細な言葉に傷ついたり、等身大でとても共感できる。
そして、未熟で弱い部分を乗り越えて、それぞれが恋に向き合う姿に勇気づけられる。
また、この作品で特筆すべきはやっぱり作画。スーツ姿の男性をここまでカッコ良く描ける方はなかなかいないのでは。色気ある大人の男性を描くのが抜群に上手い。
そして、女性陣は恋する表情がとにかく可愛い。作中のスタイリッシュなファッションや小物と合わせて一見の価値あり。 -
特装版一択!2024年7月3日特装版に気付かず、通常版を買った人も多いのでは。
例に漏れず、読む進めるままに通常版を購入してしまい、後から存在を知った。
13巻特装版では、本作の中でも一番好きなお話、「天邪鬼の告白」の続きが収録されていることを知り、思い切って購入。
結果、重複して買ったことが気にならないくらい、満足できる内容だった。特に、「箱根の宿の二人」は、読むのと読まないのでは、以降の本編の感じ方も変わってくる。
本編で描かれ無かった二人の夜が、雅人と蘭のイメージを損ねることなく、想像の何倍も美しく描かれていて、感無量。改めて筆者の力量に驚かされた。
二人を見守ってきたファンにとっての貴重な必読書。 -
エモーショナルなラブストーリー2024年6月26日レトロモダンで情緒ある、明治を舞台にした本作。
明治時代にタイムスリップしたヒナと、幼い頃に一度だけ出会った事のある、"たーくん"との時を超えた恋が描かれる。
1巻の導入部では流れが掴めずにいたが、2巻に入る頃には、読み進める手が止まらないほど夢中に。
ストーリーが面白いのはもちろん、人物の描き方が抜群に上手い。造形は素朴なのに繊細。ヒナの大きな瞳と、女性にしては大きい手、"たーくん"の涼やかな目元、菊の下がり気味の眦。特徴が際立たせて描かれ、感情が生き生きと伝わってくる。また、和装と洋装、流麗な台詞で、明治を生きる男性の成熟した魅力も堪能できる。粋な菊の着流し姿は最高にかっこいい。
そして、作中を彩る雨、涙の粒、ヴィオロンの音色。それらが登場人物達の感情とシンクロして、物語の世界を五感で感じられるよう。
主人公の二人の恋だけでなく、人生に諦念を抱いていた雛子の高虎への鮮烈な憧れ、飄々とした菊が覗かせるヒナへの熱い眼差し、それぞれの想いが痛切で、胸に響く。
現在11巻まで読み進めたが、この先どのようなフィナーレを迎えるのか。みんな絶対に幸せになって欲しい、と思えるほど大好きな作品になった。 -
珠玉の少女漫画2024年6月26日作品タイトルから想像される所謂転生ものとはまるで異なる珠玉の少女漫画。カバーイラストのように瑞々しくて美しい物語の世界。主人公オリアナの、未來の出来事を知るからこその痛切な思いや、ヴィンスを思う切なさが繊細な表情で表現され、深く感情移入できる。カラーページはその空間を切り取ったかのようで、光のコントラストで際立つオリアナの表情にヴィンスが息を飲むのが伝わってくるよう。またオリアナ、ヴィンス、ミゲル、ヤナ、それぞれ個性を引き立てるヴィジュアルで描かれ、皆魅力的。ミゲルの飄々とした態度の中に垣間見せる本気、ヤナの秘めた恋も胸に響く。画とストーリーがお互いを引き立て合い、最高の組み合わせで完成された作品。頁を捲る手が止まらず、一息に既刊分を読み終えた。事件の真相、それぞれの恋の行方、結末まで必ず見届けたい。
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ブサ猫に変えられた気弱令嬢ですが、最恐の軍人公爵に拾われて気絶寸前です(コミック)
ブサ猫を愛でる元帥を愛でる♡2024年6月25日アニメチックなタッチで描かれたモッファモファのブサ猫が癖になる可愛さ。重量感までリアルに表現され、コミカルな表情と仕草で読んでいて楽しい。
主軸は義妹に呪いで猫に変えられたマリーと元帥のラブストーリーで、冷酷非道と恐れられる美しい元帥が実は清廉で優しかったり、実はマリーを一途に想っていたり、ブサ猫の正体に気付かず一途に想う気持ちを吐露したりと、こうあって欲しい少女漫画のツボがしっかり押さえられている。王道が好みなら是非読んでみて欲しい。現在まだ二巻、次巻以降に義妹への爽快リベンジと両想いの二人が見られるのを期待して楽しみに待ちたい。 -
時を超えた物語2024年6月24日まるで映画を観たような読後感。綿密に構想された物語の世界は、時の流れや俗世から切り離された森の中に確かに存在しているよう。そのなかで紡がれる魔女さんと坊、時の流れが異なる二人の恋が煌めくように美しい。
誰しも必ず訪れる別れに、悲しいだけではない前向きなメッセージが込められ、心にじんわり染みる優しい物語。いいね
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再び会いたくなったら2024年6月22日本編終焉の深い余韻のまま、美麗なイラストで再び薔薇王の葬列の世界に想いを巡らせることができる。
また、詳細な人物名鑑には作者の主要キャラクターへの思いも掲載されており、本編への考察を深めたり、新たな気付きも得られる。
再び大好きなキャラクター達に会えるのも嬉しく、書き下ろし漫画で見せるリチャードの笑顔は、激動の本編には無い穏やかな優しさに満ちていて、感涙もの。ファン必読の一冊。いいね
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お勧めは特装版!2024年6月21日頻繁に目にするものの、作画が好みではなく避けていた本作。無料分を試しに読んでみて、ファンが多いのも納得で、もっと早く読めば良かった、と後悔するほど面白かった。少女漫画にしては重厚で、恋と秀逸なミステリーが同時に楽しめる。舞台は閉鎖的で陰鬱な気配漂う天堂家、その中で次々におきる凄惨な事件と、対比するように美しく描かれる二人のラブストーリー。
良作の例に漏れずキャラクターが魅力的で、特に振り切った俺様気質の雅人は、独特なタッチで描かれる眼光鋭い容貌がぴったり。ニヤリと笑ったり、「ハッ」の笑い声、らん対する天邪鬼な愛情表現がだんだん癖になる。一方のらんも、初期の野生児然とした姿もヒロインとしては異色で面白いけれど、雅人への恋心を自覚してからは回を追う毎に女性らしくなり、その過程の描かれ方が見事。初恋に戸惑いつつも、自身を省みず雅人を守ろうとする姿は健気で可愛く、応援したくなる。そして天の邪鬼な雅人と純粋培養の野生児らんの恋は拗れに拗れ、もどかしい。長い両片思いの末、遂に、、のシーンは万感の思い。
作中には、金平糖のエピソードや布越しのキス、旅館での逢瀬など、少し考えただけでも思い浮かぶ名シーンがいくつもあり、そういった作品との出会いはとても貴重だと思う。
また、漫画も価格帯が徐々に上がる中、抑えた価格設定なのも良心的でポイントが高い。今後も天堂家の謎、二人の恋の行方、結末まで必ず見届けたい。
補足で、10巻と13巻は特装版でも発売されていることを知らず結果的に両方購入したが、本作が好きなら特装版の方がお勧め。特に13巻特装板はファン必見。 -
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異世界に救世主として喚ばれましたが、アラサーには無理なので、ひっそりブックカフェ始めました。
神様のふわっと感2024年6月21日神によって救世主として異世界転生した主人公ツキナは、救世主である事を隠して町外れでひっそりとブックカフェを営み、騎士団長イルと出会う。このブックカフェ、ツキナの魔法で心地良い空間に整えられ、回復魔法まで付与された美味しい料理が食べられる最高の隠れ家で、イルが毎日入り浸るのも納得。その中で、大の本好きで落ち着いた大人の二人がゆっくりと恋を育んでいく様子が微笑ましい。イルとの穏やかな生活を手放したくないツキナは葛藤しながらも、救世主として度々世界を救いながら物語は展開する。典型的悪人も登場せず、基本的には激しい戦闘シーンもない為、心が疲れた時でもブックカフェの心地良い空気感のまま穏やかな気持ちで楽しめる良作。 -
恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―@COMIC
サルティス擬人化希望2024年6月20日カバーイラストに惹かれて読んでみると、タイトルから想像するより何倍も壮大なシリアスファンタジーで驚いた。原作があるらしく、物語の舞台や世界観がしっかり構成されており、更に繊細で幻想的な絵が物語の世界を一層引き立て、読み応えがある。
精悍で逞しく、鋭い双眸で真っ直ぐにイレーネを見つめるロイドがとても美しく魅力的。イレーネもロイドに惹かれながら、ロイドが去った後再び訪れる孤独を恐れ、自らの想いを否定するその心情が切ない。複雑過ぎる関係性から二人の結ばれる未來はまだまだ見えない。聖剣サルティスの正体、ロイドの両親、未開の地の謎、徐々に明かされるのを待ちながら二人を見守りたい。 -
氷を溶かす暖かな日差し2024年6月20日雪深い森の中にある館で、国王カロンに離縁されたヴェラと、精霊の強すぎる加護を受け、孤独に生きるカロンの兄アランが、お互いの存在に心の傷を癒されながらゆっくりと恋を育んでいく様子が丁寧に描かれる。主役の二人以外殆ど登場せず、穏やかに流れる二人の時間を俯瞰で眺めているような、心地よくて優しいお話。絵も綺麗でストーリーも申し分ないが、アランとカロンのヴィジュアルをもう少し判別しやすく描いてくれたら尚良き。
今後はヴェラを失った事の重大さに気付いたカロンが再び登場し、動き出す予感。冒頭で言い放った衝撃のセリフ、激しく後悔してほしい。次巻以降も続きが待ち遠しい。 -
愛さないといわれましても ~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる~(コミック)
俺の小鳥♡2024年6月20日家族に虐げられていたアビーが旦那様と結婚し、無表情で魔王のチート能力を発揮して次々に問題解決し、周りに愛されて幸せにご飯を食べている姿が微笑ましい。とにかくアビーが可愛く、始めは塩対応だった旦那様もアビーに庇護欲沸きまくり、「俺のピヨちゃん」と大真面目な顔で呼んで甲斐甲斐しくお世話し餌付けする姿が可笑しくて何度読み返しても楽しい。いいね
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離婚予定の契約婚なのに、冷酷公爵様に執着されています(分冊版)
治療はくちづけで2024年6月20日魔力を吸収することができる主人公ミラが、魔力過多に苦しむダリウスと期間限定で契約結構し、惹かれあっていくストーリー。可愛い絵柄と明るく前向きなミラの性格で読んでいて楽しい。最初は魔力を吸う為に義務的にしていたキスが、回が進むごとに気持ちが込められたものになっていき、二人の恋の行方が気になってどんどん読み進めてしまう。
過酷な環境からの脱却、冷淡なイケメンの心を徐々に開き惹かれ合う、主人公に思いを寄せるライバル、意地悪な令嬢、と外せない定番要素が盛り込まれ、シリアスなシーンも殆どなく安心して楽しめる作品。いいね
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薔薇戦争始まりの物語2024年6月19日ヘンリー6世王妃マーガレットが主人公の外伝で、時系列では本編よりも遡る。
史実でも平和主義で意思薄弱とされるヘンリー6世に嫁いだマーガレットが、いかにして本編の様な悪役ともいえる王妃となったのか、それが必然だった事がこちらを読めば理解できる。
薔薇王の葬列はこの外伝含め人物設定が実に巧みで、史実に基づく登場人物の行動が、納得させられる形で進行していく。
だからこそ、それぞれが運命に抗いながら懸命に生き、戦う姿に共感し、心打たれる。
マーガレットとサフォークの運命も然り。
また、今作では若かりしヨーク公リチャードと、まだ初々しいウォリックに出会えるのが感慨深い。
本編でリチャードの現し身のようだった“しろいの”短編も収録されており、そこでバッキンガムやティレルに会えるのも嬉しい。本編を読んだ上でこちらを読むと何倍も楽しめるので併せて推奨したい。 -
心抉られる傑作2024年6月18日シェイクスピア史劇をもとに、15世紀イングランドにおける薔薇戦争渦中の王位を巡る争いを、史実とフィクションを巧みに織り交ぜて描いたダークファンタジーの傑作。
長尺の解説や説明は一切なく、詩的な台詞と心情描写、精緻な画と場面展開で、登場人物や相関関係も無理なく頭に入り、予備知識が無くても十分物語に没入出来る。
出生の秘密と母親からの呪いの言葉によって、自分自身を受容できず、孤独に生きる主人公リチャード。全編を通して描かれる、心の内を象徴するような暗い森の中、光を求め、過酷な運命に翻弄されながら生きる姿に胸が抉られる。
次々と愛する人を喪失しながらも王冠を手にした先に、求め続けた光は訪れるのか、祈るような気持ちで一息に頁を捲り、読後しばらく余韻から抜け出せなかった。
繰り返し読む度に感情が揺さぶられる、稀有な物語。 -
孤独な闇夜に太陽の光2024年6月7日繊細に描かれる表情、美しい島の光景、光と闇の対比。卓越した表現力で、まるで頭の中に鮮やかに映像が映し出されるよう。
夜の海で孤独に戦い続ける、強くて美しく儚いエルヴァ。エルヴァを慕い寄り添う、太陽のように明るく純粋なアルト。
出会った頃はあどけなく、エルヴァのあとをくっつき回っていた少年がいつしか逞しく精悍な青年になり、成長が止まってしまった小柄なエルヴァを守り包み込むように眠る姿はこの上なく美しく描かれ、胸に響く。
読むうちに、二人は元来対であり、性別や主従関係を超え惹かれ合うことが必然であるかのように思えてくる。
依然として舞台の島には謎が多く、それらが徐々に明らかになった時、二人の関係性がどう変化していくのか、次巻以降が待ち遠しい。
BLという概念に収まらない、ファンタジーの傑作。 -
種を超えて2024年6月7日美麗な絵で描かれる皇宮ファンタジー。
亜人の藍月と第四皇子の天燿をメインに、多くのキャラクターが登場するが、
物語が進むにつれ、それぞれの背景が深掘りされていき、最初は好きではなかったキャラクターにも徐々に愛着が湧いてくる。
舞台の世界では、亜人は人から差別され、虐げられる存在。
皇宮では、皇族はそれぞれ1人の亜人を従獣とし、主従関係を結ぶ。
立場や身分を超えた従獣との絆が物語を通して描かれている。
藍月と天燿だけでなく、江凱と墨、前皇帝と疆虎、それぞれの絆とお互いへの想いが胸に響く。
天燿は、人と亜人が平等に生きられる世界を目指し、藍月と歩んでいる。二人が共に生きられる幸せな未来を楽しみに最後まで見届けたい物語。いいね
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麗しい女帝を包む籠2024年6月7日架空の皇室を舞台に描かれる、帝と侍従の秘めた恋の物語。
14歳で出仕した御園は帝を尊奉し、献身的に仕えるうちに徐々にそれ以上の想いを抱くようになる。その想いを糧に、迷いながらも様々な難局を乗り越え逞しい青年に成長していく姿と、おだやかにゆっくりと育まれる二人の特別な関係が瑞々しく描かれている。
帝は切長の涼しげな目元、威厳ある軍服姿が麗しく、まさに龍顔の女帝。自らの宿命を受け入れ常に泰然としている帝が、思いを寄せる御園の前でだけ見せる少女の様な姿が微笑ましい。
絵柄はシンプルだが、皇室における儀礼や儀式、それに伴う衣装や道具が詳細に描き込まれ、とても興味深い。その点でも存分に価値がある良作。いいね
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聞きたいサファイアのイケボ2024年6月6日悪役令嬢ルチアーナに転生した主人公が、難攻不落とされる攻略対象を意図せず次々に攻略していく様子が爽快で面白い。また、緻密で繊細な線で描かれる登場人物達が美しく華やかで、見た目にも楽しい。
恋愛要素以外にも、ルチアーナにかけられた魅了、サファイアお兄様との関係、ユグドラシルとは何か、等まだまだ謎が多く、世界の全容が明かになるのはまだしばらく先になりそう。続きが楽しみな作品の一つ。いいね
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美しきヴァンパイア2024年6月6日繊細な絵が美しく、世界観に引き込まれる。
健気で明るく、常に一生懸命な主人公が
孤独なヴァンパイアの冷えた心を解きほぐしていく様子が微笑ましい。
今後の展開が楽しみな作品。いいね
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断罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪女を目指す@COMIC
最強の味方、お兄様2024年5月31日ヒロインも綺麗だけど、黒髪お兄様がいい。
人生2周目、バッドエンド回避の為奮闘するテンプレストーリーだけど、元娼婦の手練手管を使って
一つ一つのフラグを好転させていく過程が面白い。
一筋縄では行かない王子様との駆け引きも楽しい。いいね
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十年間の一途な想い2024年5月15日一途に相手を思うヒロインの気持ちに感動。
相手に伝わらずに冷遇される場面が長く、読んでいて苦しくなるが、その一途な思いが報われ、結ばれるまで必ず見守りたいと思わせられる。
フルカラーなので仕方ないかもしれないが、ページ数の割に割高なので⭐︎-1。いいね
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自己犠牲も厭わない2024年5月15日ヒロインであるティナの相手を一途に思う気持ちに心打たれる。
見返りを求めず自己犠牲も厭わずひたすらに相手のことを想う、その姿が作品を通して描かれていて、胸が苦しくなるほど。
不遇の幼少期を過ごしても、敵国に嫁いで周りに虐げられても、儚げに見えるティナの心は気高くて美しく、強い。ティナの想いが報われ、二人が結ばれる時が早く訪れて欲しいと願いながらストーリーに引き込まれる。
フルカラーなので仕方ないかもしれないが、価格設定が高めなので、⭐︎-1。いいね
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